越境受験

昨日の岐阜新聞にこんな記事が出ていました。
読んだ方もいらっしゃるでしょう。
 
特色化のみで認められていた普通科の他学区への出願は、一本化によって隣接学区への出願が可能となった。一部の受験生には、より難関校を目指したり、難易度を下げることなく確実な合格を目指して「越境受験」を志向する動きが見られる。
 
詳細はリンク先の記事をご覧になればよいかと思いますが
(某塾のコメント担当は副社長なんだなと私は普通の人とは違うところに着目してみたり。)
岐阜市内の普通科高校が特に倍率が高くなっているのは
学区を越えた「越境受験」の影響もあるのではないかという内容になっています。
なお、この記事でいう「倍率」とは、前回私も取り上げた県教委の「進路希望調査」の結果であり、
来週火曜日分かる出願状況にもとづく本当の出願倍率ではありません。
 
普通科で他学区からの流入者がそれなりに出るだろうということは
私も以前、ここに書いたとおり。
特に岐阜学区の場合、
西濃学区と違って周辺3学区からの越境が可能ですから
例えば岐阜高校は、東濃と飛騨以外の広い範囲から
(これは三重県一つ分の人口に相当するはず)
優秀な生徒を集めることができるということになるわけです。
反対に西濃学区は岐阜学区としか隣接していませんから
越境があるとしたら岐阜学区からだけ。
しかも世間的な感覚から言って
岐阜→大垣という流れが大きくなることは考えにくく
岐阜市内の子が大垣に出てくるというのはあまり想像できません。
それでも大垣駅から比較的近い大垣東は
学校そのものの魅力を高めれば、
今後チャンスが来るかもしれないと私は書きました。
西濃に隣接する本巣市・瑞穂市・羽島市方面からなら
流入があり得るんじゃないかなと思ったわけです。
それ以前から、これらの市のごく一部地域にだけは、
歴史的な経緯から一部の西濃地区普通科への越境が認められていましたが、
それを書き出すときりがなくなるし大勢に影響してきた話ではないのでここでは割愛。
 
記事では今のところ「越境」は限定的な動きだと書いていますが
そうでなくても毎年激戦が続く岐阜市内普通科が
他学区からの流入で今以上の激戦になるというのは
岐阜学区の人たちにとっては好ましい状況ではないでしょうね。
反対にこの傾向が今後強まることになると
市内に4校の普通科を擁している大垣にとっては
拙いことになる可能性も。
かつては西高が一番危機的な状況にあったと思いますが
見事に盛り返しました。
どこが今、一番危機感を持たなくてはならないかは
前回も書いたので敢えて書きませんが。
 
それにしても不可解なのは、この時期にこんな記事が出たこと。
公立高校第一次選抜の出願がまさに始まろうとしていて
各中学校ではもう生徒たちが願書を書き終え、
先生方も書類を揃え、あとは出願開始を待つばかりの状態のはず。
進路選択のための情報提供という意味では
完全に時機を逸した記事になっています。
他方、高校の倍率云々を記事にするなら、
「進路希望調査」のデータをネタとして取り上げなくても
「出願状況」、つまり受験生が本当に出願した後で
それをもとに分析記事を書けばいいわけです。
来年以後の受験生の参考にということなら
入試が終わってから書いてもよい内容とも言えます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
特色化選抜廃止を巡る特集記事はとうに終わっていますが
検索すると引っかかりやすいのか
依然としていろいろとアクセスをいただくので
今後も高校入試関係のことは継続してここに書いていこうかなと
最近思っている次第です。