|

普通科は毎年オーバー、理数科は定員割れ ― 大垣東高校の不思議な入試構造

昨日の合格発表で、大垣東高校の理数科は第二次選抜が行われることが発表された。
(昨日新しく分かったわけでなく、出願締切の段階でこうなることは既定のことだったわけだが)

東高では長年、
・普通科定員超過
・理数科定員割れ
→普通科に不合格になった第二志望理数科という生徒が理数科の定員を埋める

という状態が続いている。
現行制度になってからの記録を情報サイトkengakujuku.netに載せているが、それを拾ってみる。

<大垣東高の普通科・理数科・高校全体の出願状況。定員±の推移>
2013年春 普通科+18 理数科 -9 高校全体+9

2014年春 普通科+35 理数科 -3 高校全体+32
2015年春 普通科+53 理数科 -1 高校全体+52
2016年春 普通科+31 理数科 -5 高校全体+26
2017年春 普通科+67 理数科 -3 高校全体+64
2018年春 普通科+41 理数科-15 高校全体+26
2019年春 普通科+19 理数科 -9 高校全体+10
2020年春 普通科+39 理数科 -2 高校全体+37
2021年春 普通科+67 理数科+5 高校全体+72
2022年春 普通科+26 理数科-22 高校全体+4
2023年春 普通科+15 理数科-18 高校全体-3
2024年春 普通科+44 理数科 -5 高校全体+39
2025年春 普通科+26 理数科-19 高校全体+7
2026年春 普通科 +8 理数科-20 高校全体-12

ご覧のように普通科はずっと定員オーバー。
今年のように出願変更期間の移動でオーバーになった年もあるが、最終的にはオーバー。
他方、理数科が単独で定員オーバーになったのは現行入試制度下では2021年春の1年だけだ。

理数科が出来た頃、つまり現行制度開始前のかなり昔はこの構図ではなかったことは以前ここでも書いた。
また東高よりもずっと前から理数科を設置している岐山高校も、昔と違って近年は理数科に人気がない状態が続いている。
つまり東高の理数科に固有の問題というより、受験生全体に理数科敬遠の傾向があると見てもよさそうだ。

昨日の発表で大垣東高・理数科の第二次選抜の募集枠が16人となっていた。
先月の出願締切のとき、理数科への出願は20名と出ていた。
つまり、第一志望だけでは-20だった。

ここに普通科の定員超過8名が関係してくる。
普通科不合格者のうち、第二志望理数科を書いていた生徒が理数科に回るためである。

普通科不合格からの「第二志望理数科」での合格が4名。
残りの4名は第二志望理数科を書いていなかった(ために不合格だった)とみてよさそうである。
この結果、理数科合格者が合計24名(40-24=16が第二次選抜の枠になった)

ひじょうに稀ではあるが、出願手続きはしたが本検査・追検査を欠席する生徒もいることは平均点シリーズのところで以前書いた。
ただしその割合は0.1%程度であり、この人数の説明にほぼ影響しないだろう。

今年に関しては普通科を不合格になった生徒が第2志望を書いていたかどうかは半々だったようである。

中学時点で「文系だ」「数学や理科は苦手だ」と感じている生徒は第2志望に理数科とは書きにくい。
それでも以前は「どうしても公立に」「落ちたくない」という判断から第2志望を書いていた生徒もいただろう。
しかし授業料無償化によって、そういう圧も小さくなったかもしれない。

今後は普通科志望で第2志望に理数科を書かない生徒は少し増えるかもしれない。

  

  

国は理数教育を推進し、また探究的学習の重要性が叫ばれている。
そうした流れの中で、募集が思わしくないからと理数科という看板を外したくないのかもしれない。
理数の看板を外したくないなら、理数科を普通科・理数コースにすることで
募集は普通科でまとめて行い、
高校に入ってから(おそらく2年次で)
・普通科文系
・普通科理系
・理数コース
と分ける方法も考えられるのではないかと思う。

そうすれば入学後高1前半の間に校内で理数コースの教育内容の魅力をじっくりアピール出来るだろう。
また、今後の少子化に応じた定員調整もしやすい。

あるいは加茂高校のような普通科+理数科→(学校全体が)文理探究科 という再編もあるのかもしれない。
しかし加茂高校を見る限り、少なくとも募集の起爆剤になっているとは言いがたい。
(加茂高校の文理探究科の出願状況は2025年春が-13、2026年春が-40)

何年か前に岐阜県が示した構想(結局は構想で終わったが)には、県内公立高校にある理数科を探究科に改編する案もあった。
この構想を拝借して、普通・探究学科群としてまとめて募集→高2から普通科と探究科に分けるという方法もあるのかなと。
というのも
「理数科」ではカリキュラム上、こういう柔軟な募集が難しいようだから。
探究科設置ぐらいの学科再編なら(県教委が約束した)2029年春まで待たなくてもやれそう。
現に加茂高校は2025年春から文理探究科になっているわけだし。

・・・とまあ、このブログにしては珍しく妄想が暴走したが、大垣東高のこのいびつな出願状況はさすがに放置してよいものではないのではと思ったのだった。

   

岐阜県大垣市の学習塾「賢学塾」です。