政局が高校受験界に影響するなんてことはかつてなかった気がする

もう繰り返し何度も何度も書いている私立高校も含めた授業料無償化の話(これしか書くことがないのかというぐらい)
私一人が先行きの不透明さを書いて騒いでいるわけでもないようで。

文科省の人たちでさえこの状態。


「与党はどの党になるのか」 公明連立離脱、高校無償化に不安の声 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20251010/k00/00m/040/290000c
自民党と公明党の連立が解消されることになり、文部科学省内からも動揺の声が上がった。2026年度からの私立高校無償化に向け、政治主導で議論されてきた予算確保の見通しは立っていない。

もともと自公と日本維新の会の3党協議の進展が遅く、制度開始まで半年を切っているが、いまだに肝心の無償化される対象が固まっていない。
願書受け付けを11月に始める私立高校もあるが、各校は入学希望者や保護者に明確な説明ができずにいる。連立離脱で、先行き不透明感はさらに増した。
文科省幹部は「生徒が割を食う事態は避けなければならない」としつつ、「今後、どの党が与党になるかもわからず、3党協議が続くのかどうかもわからない」と困惑した様子で話した。


文部科学省がこれなんだから、先行きが全く見えなくなった。
政治主導の合意なのだから文科省もこうとしか言えない。

私はここで新制度の良い悪いを論じているのではなく、何度も書いているようにとにかく遅すぎるのである。
記事にもあるが、制度開始まで半年を切っているのだ。
来春の募集要項が秋になっても出てこない高校入試を想像すればわかる。
あり得ない事態なのだ。

今年既に先行して実施している公立高校の授業料相当分(年間12万弱)の所得制限なし就学支援金は来年春からの新制度までのつなぎ。
来春から上限を引き上げて私立高校授業料までカバーするという前提で、今年だけの措置として決めているのである。
ここまで書いておいて最悪のシナリオは私の妄想の中にとどめておいて書かないが、いずれにしろ「もう時間がない」んじゃなくて「もう制限時間を過ぎている」状態だ。

私立専願の生徒の多くは秋のこの時期(10月・11月)にその意思を固める。
そして12月初めの三者懇談で最終決定をする。

前にも書いた通り、この宙ぶらりん状態だと来春入試は受験生も様子見で無償化に伴う志望校の変化はほとんど起きないのではないか。
来春から実際に無償化が始まったと仮定して、再来年以降が本格的な勝負になるだろうか。
変化があるとすれば併願受験で合格してからの専願切り替え(併願入試で合格をもらったあとに出願状況その他を見て公立高校への受験をやめるパターン。そういう生徒は弊塾ではいなかったが世間ではぽつりぽつりいる)が増える可能性ぐらいだろう。
ともかく、ますます先が見えなくなっている。
無償化で合意した自公維3党で安心させる声明でも出したほうが良さそうである。(といっても首相も確定できないのにそんなことはできないと言われそうだが。しかし政治家が呪文のように唱える「国民生活を守る」の中にこれも入っていないか?政権がどう変わろうが個別課題での政党間連携は別であってほしい。もう事実上決まったことなんだから超党派で進めてほしいぐらいだ)

   

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