女子大も短大も厳しい

女子大は厳しいよという記事。


限界大学:「良妻賢母」育成は昔、女子大の7割が定員割れ 共学と差別化できず | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20251007/k00/00m/040/190000c
収容定員充足率が100%以上だったのは国公立4校を含む20校。それ以外は定員割れしており、80%以上100%未満は18校、60%以上80%未満は17校、60%未満は11校あった。5割を下回った女子大も4校あった。


21世紀に「良妻賢母」はないだろう。
昭和の時代の話だろう。
「昔」とはいちおう書いてあるが改めてこのタイトルにする意図は何だろう。
そういう女子大は今どきないだろうから、記事のこのタイトルは女子大全体に対してやや悪意があるように思った。

それはさておき、女子校というのが厳しいのは確かだろう。
しかしこの記事が少しアンフェアだなと思ったのは、女子大に限らず大学全体(特に私立大学)が厳しい状況に置かれていることにも留意しなければならないから。
この記事はシリーズ記事で、過去の記事にはそういうことが取り上げられていたから改めて言うまでもないとい
うことかも知れないが、この記事だけ読んだ人はちょっと勘違いしてしまっても仕方がない。
この「限界大学」シリーズにはこんな記事もある。
以前も紹介したかも知れない。


限界大学:小規模私立大の定員充足率が急降下 強まる著名大学志向、淘汰加速か | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250725/k00/00m/040/354000c 
収容定員4000人未満の小規模な私立大の入学定員充足率が、2024年度は平均で88・86%とピークの5年前から16・77ポイント低下し、記録が集計されている15年度以降で初めて9割を下回ったことが、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)のまとめで判明した。


女子大学には大きめの大学はある。
先日「共学化する」とここで取り上げた武庫川女子大学や、反対に「共学化しない」宣言をしたとここで取り上げた京都女子大学などだ。
それでも大学全体から見たら中規模でしかない。
女子大には小規模のところが多いことを考えると、女子大だからというだけでなく小規模であることも影響している可能性がある。
自分のところのシリーズ記事で書いていることがややずれている気もする。
毎日新聞、大丈夫か。


私立大の半数以上「定員割れ」、最悪だった前年度から改善…18歳人口の一時的増加や定員縮小で : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20250808-OYT1T50141/
全国の私立大の53・2%にあたる316校で、今年度の入学者が定員より少ない「定員割れ」だったことが8日、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。



こちらは読売新聞から。
私立大学全体で5割以上が定員割れしている時代なのだ。
上述したように小規模校が多い女子大が7割定員割れしていても不思議はないように思うのである。

閑話休題。
新聞への批評でなく女子大の話だった。
少子化で共学のところでも経営が大変な時代。
女子大はその約半分しか最初から相手にしていないのだからさらに大変だ。
広域から学生が集まるような一部有名大学(国立だったり都会の有名私立だったり)以外の多くの私立女子大学は今後厳しくなっていくのだろう。
以前書いた岐阜市立女子短期大学が共学化して四大(岐阜市立大学)化する構想は2033年度を目指しているそうだが、こちらは小規模+女子校に加えて短大という現代では不人気となる要素をもう一つ抱えている。
2033年か。
準備期間4年+中心部への移転のための期間として2~3年という設定のようだが、素案自体が「可能な限り早い時期を目標」といっているように、やるならもっと早く改組したほうがいいと思うのだが。
いますでに「大学院まで行く学生をもっと増やそう」と国が音頭をとっている時代だ。


学士から修士まで5年で修了、大幅増に向け制度改正へ 文科省が方針:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASTB740WLTB7UTIL01DM.html 
大学院生は人文・社会科学系で減少が目立つ。修了までの年数を短くして大学院進学を促し、高度な知識を備えた人材を増やす狙いがある。


確かに文系でも大学院といわれても私の世代の感覚だとピンとこないが、それはかつて終身雇用の企業が社内で教育の一端を担っていたからという話もある。
今日の社会の高度化に対応するためには(企業の雇用も流動化しているし)、理系で修士までやるのがごく自然になっているのと同様に文系でも大学院への進学が珍しくない選択となることが必要なのだろう。

そういう時代である。

女子大であることよりも8年後に「短大」の居場所があるのかというほうが気になる。

…女子大学の話で書き始めたのに短大の話で終わってしまった。
何とずれた投稿だ。
毎日新聞のことを批判的に書いている場合ではなかった。

   

岐阜県大垣市の学習塾「賢学塾」です。