3月の記事であったが無料記事になっていて誰でも読めるので引用しておく。
デジタル導入の「教育先進国」で成績低下や心身の不調が顕在化…フィンランド、紙の教科書復活「歓迎」 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20250317-OYT1T50203/
デジタルを積極導入した海外の「教育先進国」で、子どもの学力低下や心身の不調が顕在化し、見直しの動きが相次ぐ。
2000年に始まった国際学習到達度調査(PISA)で、フィンランドの子どもの読解力は世界一だった。03年に数学的応用力、06年からは科学的応用力もPISAで本格的に測られるようになり、初回は2位と1位。好成績の理由を探る各国の「フィンランド詣で」が続いた。
だが22年には、3分野の順位が14位、20位、9位に落ちた。「教育は、急速なデジタル化に対応できるものではなかった」。
日本でゆとり教育がピークに達した今世紀序盤、日本の子どもの学力の低下とフィンランドとの教育の違いがあちこちで語られていた。
そのフィンランドが一気にトップ10から出てしまうほどの学力低下を起こした背景の一つに、急速なデジタル化があったということのようだ。
上記の記事にはフィンランドがデジタル→紙に逆回転させている話も載っている。
さらに、こんな話も。
教育現場でのデジタル利用に慎重となる国は近年、目立っている。22年PISAで3分野とも1位のシンガポールは、小学生にはデジタル端末を配らないことを23年に決めた。心身が未発達の子どもに悪影響が及ぶことを懸念したためだ。
デジタル教育の弊害と検索すると、子どもが外で遊ぶ時間が減るとか子どもの視力が悪くなるとか本質からずれた意見も出てくるが(それに意味がないというわけではない)、そういう問題にとどまらない、教育そのものに関わる問題を孕んでいる。
「教育予算をたくさん使って教育のデジタル化を推進して子どもの学力を低下させました」では目も当てられない。
ここ数年で急速に学校でもタブレットを使い出した日本も、数年後にそういう後悔をすることになるのだろうか。
影響は時間をおいて現れてくる。
諸外国の事例を見るとそういうことになりそうである。
社会のデジタル化は必要なことだろうが、以前も書いたように学習、特に小中学校までの学習では「効率」を追い求めてはいけないと思う。
国を挙げて子どもにタブレットを持たせるために輸入を増やすこともない(言うまでもなくICT端末のほとんどは輸入品)。
前も書いたように、学習量が膨大になってくるもっと上の年齢での一定の「効率化」はすべて否定しない。
基礎ができていない段階での効率化に異を唱えているのだ。