京都府立医科大学の入試で採点ミス→追加合格があったという話


京都府立医大の入試で採点ミス 学習塾が「誤りがある」指摘、2人追加合格 | 京都新聞デジタル
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1493942

 府立医大によると、採点ミスがあったのは小説を題材にした(英語の)長文読解の大問。大問の中で求めた複数の記述式の解答で、採点者によって正否を含めた採点基準にばらつきが生じていたという。

 4月に学習塾から「(公開していた)解答例の一部に誤りがある」と指摘を受け、指摘された設問を含めて大問全体を点検して判明。

  府立医大は追加合格の2人に個別に連絡し、謝罪した上で合格通知書を交付した。2人が既に他大学に入学していた場合などは、かかった費用を補償することを検討しているという。


大学の合格・不合格は人生の一つの大きな分岐点。
まして医学部医学科、それも国公立大学の医学部医学科となれば、重みは断然違ってくる。
ミスを見つけた学習塾というのはどこだろう。
高校生対象の、それも医学部受験を専門に扱うところだろうか。
大学入試に関してこういうふうに外部から指摘するのは大手予備校というイメージだったので意外だった。
いずれにしろGood jobであった。

既に合格通知書を交付して謝罪もしているということなので、最後の部分の書き方がよく分からなかった。
そういうふうに該当受験生側と接触できているなら、他大学に行っているのか、それとも浪人しているのかどうかの確認は済んでいるはず。
そのあたりはプライバシーにも関わるので敢えてぼかしているのかもしれない。

その後の人生を左右する入試である。
ミスはないよう細心の注意で取り扱ってほしいが、人間がやることである。
情報が公開されていることでいろんな角度から多くの目が入り、起こってしまったミスがより見つかりやすくなり、こうして是正措置をとることができる。
今回も解答例が公表されていることでミスが指摘され、遅いとはいえ救われた受験生が出た(該当2名が入学したのかどうかは記事からは分からないが、府立医科大ならほぼ
入学する(した)だろう)
と書いたのも、昔話になるが30年ぐらい前の岐阜県の公立高校入試では、今と違って解答例も配点も公表されていなかったからである。
もうかなり前の話なので、今のように公式の正答例と配点が公表されているのが当たり前のように思っている業界人のほうが多いだろうが、そんな時代もあったのだった。
あのころ出回っていた「解答」は県教委が作った公式のものではなく、配点も「予想配点」であった。
今のように得点の開示もなければ調査書の開示もなく、公立高校入試のほぼすべてが「ブラックボックス」だった時代の話。
あの当時の公立高校入試に採点や正答例のミスがあったかどうか。
今となっては何とも言えないが、仮にあったとしても分からないまま。
そういう意味で情報公開は重要だなと改めて思った。

何年前だったか忘れたが(ブログに過去記事があったはずだが探し出せない)、岐阜県でも公立高校入試の合否判定でかつてミスがあった(こちらはこの塾が存在している範囲内での昔のこと)
採点でなく入力ミスだったはずだ。
また最近では2021年春・2022年春と出題ミスが2年続いたこともある
情報公開こそがミスをミスとして発見するためにもっとも有効な手段である。