国立大学の授業料


名古屋工業大、授業料の値上げ検討 物価高騰や教育設備の劣化背景に:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/AST5Z3VGZT5ZOIPE014M.html

28日に開かれた、学長や理事、学科長らで構成する「教育研究評議会」で示された改定案では、現行の年53万5800円(文部科学省の省令で定められている標準額)から年64万2960円への値上げが示された。

 国立大の授業料は標準額の最大1.2倍にまで各大の判断で増額ができ、今回の改定案はその上限額となる。


上限がなかったらもっと値上げをしたかったのかどうかは分からないが、記事にもあるように最近は上限まで上げる国立大学がじわじわと増えている。
標準額がしばらく据え置かれたままだということを考えるとやむを得ない動きとも捉えられる。
が、この水準に至るまでの伸びが急ピッチ
で、数十年間ずっと国立大学の授業料を上げることで私立大学との差を埋めようとしてきた流れだったことからすると、ここまで高くなった授業料を払わなければならない「国立」大学とは何か、ということを考えたくもなる。
私立大学との格差は国立大学の授業料を上げることで埋めるのではなく、私立大学への補助を手厚くするとか給付型奨学金を充実させるとかの手段で埋めて欲しかったものである。

それはさておき。
国からの運営費交付金が細る中、各国立大学がお金集めに必死のようだ。

私のようなしがない卒業生のところにもホームカミングデイの案内ついでに「卒業生の方、寄付をして」というようなお願いがついたものが同窓会から届いたりする。
私が大企業オーナーや富豪だったらぽーんと億単位の寄付をするかもしれないが(そうであったとして果たしてするのかというつっこみは なし)、そこは小さな個人塾経営者であるからそんなことはできない。
クレジットカードを作って買い物で使えばその手数料の一部が寄付になるという勧誘も。
カードはリアルに使うのが恥ずかしいので(ああ、別に対面で使わなくてもネット通販等で使う手もあるか。といってそこまでして無理にカード経由で「貢献」する必要も無い気もするが)何年か前からわずかばかりの寄付をしていたが、昨年は忘れてしまっていた。

それはさておき。
お金集めに必死な国立大学。
放漫財政では困るが、だからといって国立大学がこういうことでいいのだろうか。
交付金を削って大学(ここでは国立大学)を弱体化させても国は衰退するばかりであろう。
海の向こうの国の大学軽視を対岸の火事とは言っていられない。
資源のない日本が人に投資し学問にお金を使わなくてどうするのだろうと思ってしまうのだが。
国の予算も限りがあるだろうから無尽蔵というわけにはいかないだろうが、まずは最低限として物価上昇に見合った交付金を支給できないものだろうかと思う。