子どもとネット


子どものネット利用“低年齢化と長時間利用進む”こども家庭庁 | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250504/k10014796501000.html

また、利用時間に関する調査項目で比較可能な2021年度と比べると
▽2時間以上利用している子どもは50.8%で、7ポイント余り増加したほか
▽平均利用時間は1日およそ2時間9分で、19分増えました。

調査の分析メンバーの1人、兵庫県立大学の竹内和雄 教授は、・・・(中略)・・・「スマートフォンなどは育児の手助けになる面もある一方で、長時間利用することは生活の乱れや依存につながるおそれがある。小さな子どもがインターネットをどのくらいの時間利用すると、どのような影響が出るかなどは判明していないため、子どもの健全なネット利用を考えるために調査が必要だ」としています。


今の子どもにとってのネットは、私たちが子どものころのTVと同じような存在だと思っているから、記事に「8歳9歳の子どものネット利用率が9割を超えた」とあっても「それはそうだろう」としか思わないが(ネット時代を迎える前の時代、8歳と9歳でテレビを見ている子どもは9割をはるかに超えていただろう)、かつてのTVがそうであったように接触時間の長さとその中身は問題にされてもいいと思う。

ネットの長時間利用で子どもにどのような影響が出るかは「判明していない」とのことだが、私は子どもの長時間利用には反対の立場。
1日はどんな人にも24時間しかない。
悪影響についての詳細は専門家に調査してもらうとして、小さい子たちがネットにのめりこんで睡眠時間を削ることがあったら、それだけで既に子どもの成長には明らかにマイナスだろうと。

ネットのコンテンツは質が担保されていない。
TVも「低俗な番組」について批判され、また間違った情報を流しては批判されたものだが、TVには放送法があり、公共の電波を使っているという戒めもあり、じゅうぶんかどうかは別にしてそれなりの「枠」があった。
いま、ネットの動画はほぼ野放し。
動物園(TV)かサファリパークを歩いてまわる(ネット)かぐらいの違いがあるように思う。

それから、SNSについては真剣に検討する必要がある。
他国では子どものSNS利用を禁止する動きがあり、最近ではオーストラリアやアメリカの一部の州での立法が話題になった。
子どもがSNSを利用する場合に生じる(生じている)問題については今さらここに書くまでもないだろう。

今の子どもたちが大人になったころには、子どものころから当たり前のようにスマホでネットをみていた世代がその下の世代を導くことになるが、今はそうではなく、大人社会もネットとの向き合い方を依然模索している段階。
最近ではネットと政治(選挙)の関係について、大人社会も動揺している。
AIの登場でまた課題が増えた。
どう向き合ったら良いのか、社会全体が結論を出せていない。
そんな中で子どもだけに「適切な利用」というテーマを課すことが出来るのかという難しい時期にわたしたちは生きている。
今世紀後半には「こんな時代もあったね」と笑われているのかもしれないが。