【2018年春入試】県教委、何をあせっているのかな

 先週木曜日の岐阜新聞から報道が始まった「全県一学区」制移行、要するに「普通科の学区を完全に廃止しますよ」という話。
 第一報の記事を読むと、今週火曜日にも県教委が動くような話だったので、どら焼きを食べながら座って待っていたのですが、昨日はどこを探しても報道が無く(たぶん)、県庁のサイトを見ても何も発表された様子がありません。
 これは中学校の校長先生の皆さんに説明が終わるまで、決定そのものを隠す方向なのかな、などと思っていたら、昨日の県議会で、国枝慎太郎議員(揖斐郡選挙区選出)が今回の県教委の方針について質問したことが、今朝の新聞各紙に掲載されていました。
 で、教育長の答弁も一部掲載されていたのですが、そこに驚きの新事実が。
なんと岐阜高校だけでなく「多治見高校にも単位制を導入する予定」だというのです。これも来年春からということだそうです。
 一言、いいですか。
 県教委さん、何をそんなにあせっているんですか。
 議員の指摘の通り、一年先送りして再来年春からでいいじゃないですか。それとも、急いで来年からやる理由が何かあるのですか?言えない理由でもあるんでしょうか…。不可解なことが多すぎます。
 以前から書いているように、そもそも県教委は来春から学区制を廃止する意向を持っていなかったと思われます。それは4月末に出された例の概要のペーパー1つ見ても明らかなのです。それが、ここに来ての急展開。この2か月弱の間に何があったのか。本当によく分かりません。
 全県一学区、つまり学区制を完全に廃止するというのは(個人的には賛同しないのですが)全国的な流れでもあり、特別おかしい政策というわけでもありません(しつこいですが私個人は賛成しませんが)。しかし、この時期に唐突に決める、実は正式にはまだ決まっていない、さらに、今朝の岐阜新聞の記事によれば「議会での議論を踏まえた検討が必要」だから「来月11日、21日の教育委員会でも検討する」とのこと。その結果、正式決定を7月下旬まで先送りする可能性もある(こちらは今朝の中日新聞の記事)という前例のない異常事態です。県教委は現場だけでなく、議会との対話もせずにいきなり決めたということのようですね。教育長も「議会への事前説明が不十分だった」と謝罪したとか。「できるだけ早く結論を出す必要性は感じているが、十分議論を尽くす必要がある」と教育長はおっしゃっているそうで、それじゃあ再来年からにすればいいのではないか、再来年からにすれば、何の問題も生じないのではないかと、ますます思ってしまうわけですが…。
 こんな調子ですから、昨年度は6月20日に公表している「入学者選抜要項」が未だに公表されていません。そりゃ出せませんよね。要項の中に書かなければならない重要項目が未決定のままなのですから。7月末までには各高校の入試概要を出すというスケジュールなのに、何という異常事態でしょう。
 
 もう、1年先送りしかないでしょう。私はそう思います。駄目なんでしょうか?今ならまだ引き返せます。来年春までに正式に決めて、再来年春の入試から実施ということで、何か不都合があるのですか。記事に掲載された教育長の答弁の断片を読んだ感想としては、去年の春、大々的に打ち上げた高校再編に向けた動きが、一転してしばらく様子見の方向になったために、次の一手であせっているというようにも見えますが…。
 
 いずれにしろ、もう時間切れです。この地域の中学校の三者懇談期間は、来週に集中しています。つまり県教委の担当者が語ったという「ぎりぎりのタイミング」(前回記事で紹介)は、もう過ぎてしまうことが確定しました。来春から実施するのは諦めたほうがいいのではないでしょうか。再来年春から、堂々と実施してください。こんなドタバタはよろしくありません。こんな前例を作ってもいけません(と書いてはみたものの、結局は押し切っちゃうんだろうなあ…)。