国の政治の話し合いで、先日も書いていた所得制限のない高校無償化がどうやら決まったようだ。
【詳しく】自公維 教育無償化など合意 予算案は修正・成立へ | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250225/k10014732301000.html
高校の授業料無償化について、ことし4月から公立・私立を問わず一律に年間11万8800円の就学支援金の所得制限を撤廃し公立高校を実質的に無償化するとしています。
あわせて、低中所得世帯を対象に教材の費用などを支援する「奨学給付金」や、私立の無償化の影響を受ける公立の工業や農業など専門高校の施設整備の支援を拡充するとしています。
また、来年4月から私立高校を対象に加算されている就学支援金の上限額の所得制限を撤廃し、私立の全国平均の授業料である45万7000円に引き上げると明記しています。
国の政治のことはさておき、高校受験に関わる者としてはこの県の高校入試を巡る状況がどう変化するかに注目している。
私立高校の授業料が「無償化」されるのは来年春(2026年度)からとなった。
2026年春に向けての私立高校の動きに注目している。
まず奨学生・特待生といった制度設計そのものを変える必要があるのではないか。
例えば「授業料全額無償」といった特典が完全に意味をなさなくなる。
それが入試のしくみにも影響を与える高校もあるだろう。
そもそも私立高校がどうやって経費を設定するかにも注目している。
県下の私立高校の授業料は月額33,000円程度のところが多いようだが、33,000×12=396,000円となり、今回決まった就学支援金の上限以下。
だから、とりあえず授業料は38,000円程度にはなる(これが支援金で0になる)のだろうか(これはご家庭の負担ではないから各ご家庭には関係はない)。
そうなれば私立高校は各ご家庭の負担を増やさず一人5,000円程度は増収となる計算。
それ以外に今でも私立高校には教育充実費など授業料以外の名目の費用が数千円~一万数千円程度ある(そしてさらに公立と同じような諸経費が加わっている)。
これをどう取り扱うのか。
私学としては経営的に教育充実費もそれなりに集めないといけないところだと思うが、無償化無償化と世間に大々的に打ち出されている中で教育充実費など授業料以外の負担が目立ってくると「私立はやはり高い」という世間の印象がぬぐえなくなる。
前述した奨学生・特待生の関係で言えば、この部分だけの支給(免除)を特典として存続させることもできるが、果たしてどうするか。
「教育充実費が免除になります」という特待生を大きく宣伝すればするほど世間では「えー無償化されたんじゃないの?やはり私立にはお金がかかるんだなあ」という印象が強化されることになるかもしれない。
先述したように県内私立の多くは国負担となる授業料を上げる余地があるので、これを機に教育充実費を大幅に縮小して攻勢に出る手もあるのかもしれない。
これだと公立とほぼ完全に同じというアピールがしやすいが、授業料で増収があったとしても大幅に減収となる私立高校も出るだろうから経営的にどうなのかは分からない。
いろいろ考え出したらだんだん訳が分からなくなってきたので、いまは私立高校の今後の動きを待つことにする。