岐阜県の公立高校の再編統合の話はその後どうなったのだろう。


社説:岐路に立つ公立高 地域での役割と将来像示せ | 京都新聞デジタル
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1561306

少子化により生徒集めの競争が激化する中、授業料の格差縮小で「公立離れ」が一気に進む可能性がある。教育の機会均等と地域社会のインフラを担ってきた公立高の役割と将来像を、今こそ見つめ直すべき時だ。
私立高生への支給を先行して拡充した大阪府や東京都では、公立高の志願倍率が実際に下がっている。
少子化に伴う統廃合を検討する場合でも、効率や定員の充足率だけで対象となる学校を決めるのではなく、地域の実情を十分考慮する必要があろう。・・・拙速な統廃合は、さらなる地域の過疎化と衰退に拍車をかけかねない。


冒頭、いきなり京都新聞の社説を紹介したが、ここでも以前書いたような当たり前のことが書いてある(新聞の社説だから当然か)
公立高校の再編は全国的な課題になっていることはこれまでも書いてきたとおりだ。
ここのところ授業料無償化関連で私立高校の話を多く書いてきたが、岐阜県の公立高校統廃合の話は、その後どうなったのだろう。
上の社説にもあるように、授業料無償化による公立高校への大波という新しい要素が加わり、検討する上での困難がまた増えている。

以下は昨年(2024年)9月の教育長の県議会答弁(前もここに掲載したか)


平成十五年度から四年間で中学校卒業者数が約二千五百人減少することを踏まえ、当時、県立学校を七十四校から六十三校に再編いたしました。その後、平成二十七年度に示された審議会の答申では、再編後からこの春まで、その卒業生が同程度の二千五百人減少することから、さらなる再編統合を含む活性化案が示されたものの、現在は各校それぞれ活性化に向けた取組をしているところです。
 しかしながら、この間、入学者の減少により学校の小規模化が進んだこと、さらに通信制への進学率が平成二十七年度の約二倍になっていることなど、幾つもの変化がございました。
 また、これから十五年後には県内の中学校卒業予定者が約四割減少となる中でも活力ある学校教育を推進するためには、一定数の学校規模が必要であること、さらに県内どこでも学びの保障をする環境を整備することが重要となっております。現在は、各地域の子供の数の変化や高校進学の傾向を詳細に分析しているところであり、来年度からは高校の配置を踏まえた高校の在り方を検討してまいります。
 なお、その際、大きな変化が生じる場合、児童・生徒が不安なく進路選択ができるよう、前回の再編の場合には、発表から最初の再編まで二年間しかなかったということを踏まえますと、今回の場合は十分な周知期間をつくることが必要だと思っていますので、その方向で策定をしてまいります。
(岐阜県議会  令和6年9月定例会(第4回)の会議録から。赤字は当方でつけた)


このときの「来年度」と言うのが今年度(令和7年度)である。
今まさに検討が進んでいるはずなのだが・・・。
再編するなら発表から2年では短い、もっと長く周知期間をつくると上の県議会答弁でも語っている。
県教委側が以前から再三示している「15歳人口が急減する令和11年度(2029年度)」というのは今(2025年9月現在)の小6が高校受験するタイミングである。
仮にそこから再編が始まるのだとしたら、遅くとも2026年度のうち(もう来年度)には再編内容を提示していなければこのときの教育長答弁と食い違うことになる。

県教委は以前「令和10年度までは再編統合を行わない」ことは確定的に語っているこのブログにも掲載した通り。こういうときに記録は役に立つ)
岐阜県の今の「第四次教育振興基本計画」は令和6年度~令和10年度が計画期間。
その期間に「県立高校についての在り方についての方向性を定める」とは言っていた。
しかし令和10年度の年度末には令和11年度入試がある(当たり前)
計画期間最終年度の令和10年度に「方向性」を定めても令和11年度(2029年春)入試には間に合わない。
さらに上にもある「周知期間2年では短い」という言葉に忠実に行動するなら、令和10年度までに決めても実際に再編されるのは令和13年度(2031年春)以降の入試からということになる。
そして仮に令和10年度までに「方向性」という名の大枠が示されるだけで具体的な再編議論はその後ということだとすると、さらにさらに遅くなるということにもなる。
他県ではもう具体名を挙げての再編議論が進んでいるところも各地にある。
岐阜県はここまで先送りした上にさらにそんなのんびりしたことでいいのだろうか(これは最も遅くなる私の勝手な想定だが)

・・・そろそろそんな心配をしたくなるほど、公式には何も動きが見えてこない。

 

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