「県立高校の共学化」を巡る埼玉県の話

今日は岐阜県の話ではなく、公立で男子校・女子校が今も存在している埼玉県の話。


どうなる? 埼玉の県立高校共学化 意見交換会で反対意見相次ぐ | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20250826/k00/00m/040/049000c
 県立高校の共学化を巡り、埼玉県教育委員会の意見交換会が23日で全日程を終えた。参加者からは共学化反対の意見が相次いだ一方で、県教委は「性別に関係なく、生徒一人一人が力を伸ばせる学びの環境が大切だ」と説明した。

男子校の生徒が「(現役中高生らが対象の)アンケートでは共学化反対が多かったにもかかわらず、反映されていない」と批判し、議論のやり直しを求めた。女子校の生徒は「別学校は異性がいないからこそ自分らしさを伸ばすことができる」と別学のメリットを強調した。


他県のことはよく知らないのだが、関東の県で男女別学の公立高校が多い(特に進学校・伝統校で)という話はこの仕事を始めた大昔からどこかで聞いていたが、その後この共学化の嵐の中でここまで存続していたことには驚いた。
この記事によるとOB・OGや保護者とかではなく、現役高校生に反対が多いというのも驚きだった。
現役高校生にとっては今の環境(=別学)に慣れているので共学に反対ということだろうか。
実際に共学化するのは自分たちが卒業してからになるのだから、自分たちが残した別学ならではの校風や伝統が母校や母校が再編された高校に残らないことを危惧してのことなのだろうか。
いずれにしろ共学の公立高校が当たり前の(といっても私は高校1年生のときには共学のはずなのに「男子クラス」というのを経験している。当時の北高は男女比が半々でなくバランスが崩れていた。今では考えられない時代だった)中で育って仕事をしてきた人間にはにわかには理解し難い状況だが、別学の公立高校が普通に存在していた中で生きてきたみなさんにとってはわたしたちの暮らしている社会のほうが理解不能かもしれない。

このあたりで県立の男子高校というのは…私の中の記憶にはない。
ひょっとすると旧制中学校(戦前の旧制中学は男子校)まで遡らないとないのではないか。
工業高校などは今も男子が多数だろうが、女子はちゃんといるし入れる
ので男子校ではない。
県立の女子校というとかつて西濃地区には養老女子商業高校(今は大垣農業高校と再編統合されて大垣養老高校になっている)とか大垣女子高校(今は大垣桜高校と改名)があったのが思い浮かぶが、いずれも今は共学化している(工業高校とは逆に大垣桜の男子は少数派だろうがしかしちゃんといるし入れる)
西濃地区の「公立」という括りではこの他、以前このブログでも書いた大垣市立大垣第一女子高校(大垣北高校の北隣にあった定時制高校)が思い出されるが、今はない、というか30年以上前に消えている(養老女子高校のように再編統合されたのではなく、純粋な廃校だった)

岐阜県内にはもう男子高校はなく、私立の女子高校もいよいよ少なくなってきているのだが、最初に掲げた記事にあるような(他県とはいえ)現役の高校生たちの意見は、女子校運営側には明るい話題かもしれないと思った。

   

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