昨日は済美高校の説明会に行ってきた。
今春の国公立大学合格者が30名。
鶯谷・岐阜東といった中学も抱える私立進学校を除くと県内のこのあたりの私立では一番多い数字ということで胸を張っていた。
人数だけの単純な比較になるが、このあたりの公立高校と比べても大垣西より上で大垣南に迫るという感じになるだろうか。
内訳も公表していたが、地元の国公立が多い(つまり・・・ということではない)ことを高校側は強調していた。
済美高校が共学化を始めて(最初は一部のコース限定で始まった)20年以上が経ったか。
今は男子の比率が約3割という。
この春退任した校長の時代に進学強化路線を強め、この10年ぐらいでずいぶん変わってきた。
今では普通科だけでなく商業科・保育科・衛生看護科も含めての進学率が98%。
商業科に至ってはこの春に就職を希望した生徒がおらず100%進学だったという。
私学の意思決定がどう成されているのか知らないが(それぞれ違うのだろうが)校長が交代するとそれまでの路線や方向性が変わってしまうところもある。
済美高校も前任者の時代に一気に改革が進んだイメージがあるのでどうなるのかなと思って見ているが、昨日、挨拶と説明に立った新校長(この春まで岐阜高校校長。前任者と同じか。ああ前々任者もそうだったか)は前任者の路線を継承していく印象を受けた。
少なくともこれまでの路線が大きく変わってしまうような印象は受けなかった。
先に挙げた高校で言えば、鶯谷は経営側の強力な推進力で学校改革を成した印象であり、私がこの塾を開いてからの28年間に校長の交代が何回あったか覚えていないが、どなたが校長になってもぶれる感じは一切ない。
岐阜東は太古の昔からの(というとすごい大げさだが、今の中学生の祖父母世代の頃から)県内私立の中では伝統的な進学校であり、今さらぶれようもない。
学校の方針がぶれないということは大切。
これは公立でもあることだが、ある校長のもとで改革を成しても、それが継承されなければ学校はまた変わってしまう。
それが在学中にあっては(つまり入学したら変わってしまったというパターン)目も当てられない。
そういう意味で「安定している」ことは大事なのである。
「最近あの高校ちょっといいよ」というのが一時期で終わってはあまり意味がないのだ。
粘り強く続けられるかどうか。
鶯谷や富田は90年代前半に共学化して30年以上が経ち、いま世間でもかつての女子高だったときのイメージはほとんどないだろう。
(だから逆に今、岐阜東・富田が同じ学校法人で同じ敷地に建っている共学校として併存していることを不思議に思う人がいるのも無理はない。県外出身の保護者の方ならなおさらだろう。この2校、大昔は岐阜東=男子進学校、富田=女子校で明確に違ったのだ。それが両校とも共学化した当初はどう個性を出して差異化をするのかなと思ったが、ちゃんと個性が出ているように思うから成功しているのだろう)
それらの高校よりも10年ずれて共学化した済美。
典型的な私立女子高だったイメージを世間が完全に変えるまでにはもう少し時間がかかるのか、どうか。
今の中学生の親さん世代がどう思っているのか、街頭で調査したわけでもないので分からないが、昔とは高校の姿はだいぶん変わっていると私は思う。
来年度から(始まるはず)の「私立も高校無償化」で突入するだろう高校の大競争時代に、結果的にすべりこみで間に合ったという感じかもしれない。
それで思い出したが、来年度からの無償化に絡むさまざまなことを昨日の説明会でもまだ高校側が詳細を説明できず困っていた(実は私はそれが一番聞きたかったのだが)。
以前も書いたが、これは高校側が悪いわけでなく、文科省が悪いわけでもなく、来年度からのことをいまだに「協議」している(先日やっと骨格で合意できたとか。2月の合意は方向性だけの合意だったようで)政治に起因する問題。
授業料無償化も確定事項(であろう)としかいえず、さらにそれに伴って今度は各私立高校が学費の制度全般や奨学生制度をどうするかという部分のツメも必要だ。
昨日に戻ると、高校側の話では夏の生徒・保護者向け説明会までには奨学生制度の詳細もはっきりさせて出したいと言っていた。
無償化になってもすべてがタダになるわけではなく(例えば入学金や月々の教育充実費などは「授業料」ではない)、そのあたりが奨学生資格による優遇の対象になる(だろう)という話だった。