ずっと以前、各地の小中学校で二期制が導入されるようになってきたころから、私はこの二期制というものに否定的な意見なのだが、私が否定しようが何をしようが世間はどんどん変わっていくのだから、弊塾も目の前の現実にあわせて対応しなければならない。
塾から見た景色でいえば・・・
二期制で一番困るのは前期期末テスト。
夏休みの終盤(夏期講習中)が、前期期末テスト(9月上旬が多い)に備えてのテスト対策になってしまう。
中1/中2生には「腰を落ち着けてのロングスパンの復習が十分できなくなるおそれ」「夏休みのゆとりがなくなる」という影響。
そして中3の夏休みといえば1年間の高校入試対策の中で最大のボリュームの夏期講習がある(どこの塾も夏期が一番時間的ボリュームが多いだろう。直前期は内容的なボリュームは膨らむがそれは彼ら受験生の学習ペースが上がるからであって平日学校に行くぶんそんなに時間は確保できない)。
定期テスト対策に奪われてしまう夏休みの終盤の分は9月の定期テスト後か7月までのどこかで補わなければならない(しかし秋には秋で入試対策を詰め込んでいる弊塾としては痛い)。
また、このあたりの3期制中学校は期末テストしかやっていないと思うが、二期制で中間・期末とテストがあると年4回の定期テストになる。
つまりそういう学校と比べると定期テストは1回増えることになる(生徒にとっては負担増であろう)。
負担は増えるのに通知表は年に2回しかもらえない。
テスト以外の部分も含めて学習全般について気づきを得て反省する機会と、内申点につながっていく教科の評定の挽回チャンスが減る。
通知表を発行する側は年2回で済むから事務負担も軽くなるだろうし、この改革の主目的は成績を出す教員の負担軽減なのだろうが、受け取る生徒側にとっては酷な制度なのである。
単位認定がある高校・大学については二期制があっているというか大学は単位のことを考えると必然かもしれないが(最近は一部特殊な学期の組み方もあるときくけど)、義務教育では単位認定があるわけではなく、通知表は生徒の現状伝達と今後の取り組みへの指針であるから回数は多いほうがいい。
滅茶苦茶なことを言えば毎月通知表を出してもいいくらいのものである(当然それは発行側の負担を無視した暴論である暴論である)。
と書いてきて思うのは、二期制というのは生徒に対してより自己責任傾向が強まる制度なのだなということ。
だから私は何となく違和感を持ってきたんだなと書いていて気づいた。
違和感があろうが最初に書いたように現実に対応していかなければならないのがわたしたち。
二期制になろうが、定期テストがなくなろうが、対応していかなくてはならない。
当然ながら変化には対応していく。
すでに2期制が当たり前の地域の塾関係者からすると「何を今さら」というような話題である。