黄昏の電話


退職したいほど「電話が怖い」 SNS世代の社員が抱く不安と責任感:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/AST4Z1DFQT4ZUTIL01WM.html

 電話が嫌で嫌でしょうがない――。電話がプレッシャーになり、若手社員の退職につながるケースが出ている。企業は電話の代行や研修を進めるほど。苦手な理由を本人たちや専門家に聞くと、SNS世代ならではの「責任感」が浮かび上がった。


塾で何年もずっと見ていても、以前と比べて固定電話の使い方を知らない子がすっかり増えた。
彼らは固定電話だけでなくスマホで「わざわざ電話番号を打って電話する」という作業もできないのかもしれない。
チャットやビデオ通話・ビデオ会議が当たり前の現在、音声だけの通話というのはマスメディアで言えばラジオのようなもので絶滅危惧種といっていいのかもしれない。
考えてみれば、塾へのお問い合わせも様々な方法(電話、メール、LINE)をご用意しているし、塾生ご家庭からの普段のご連絡もメールやLINEでいただくことが増えたので、私自身、電話を受ける機会が以前よりだいぶん減った。
契約書に塾生のご家庭の連絡先として記入いただく電話番号も、この数年で携帯電話番号だけという方が一気に増え、固定電話の番号を書かれるご家庭は少数派。
携帯番号だけの方には二つの場合があって、固定電話をお持ちだが連絡先(2つまで欄を設けている)をすべて携帯電話にしている方と、そもそも固定電話がないというご家庭と。
振り返れば開業時から何年か前までは、まず固定電話番号を書かれて2つ目に携帯電話番号を書かれる方が多かったように思う。
開業時は固定電話だけを書かれる方も少なくなかった。
そのうち携帯電話だけ書かれる方が増えてきて、先ほど書いたような現状である。

電話(音声通話)はやがてなくなる通信手段なのか、それとも今後も細々と生き残るのか。
電話がないと受付が開始できない!(つまり開校できない)と工事の日程を睨んで焦っていた28年前の今ごろ(開校のとき)が懐かしい。
今、塾を開業するとしたら、とりあえず電話がなくてもできてしまうのだろうか
(いま塾でそれをやるのはまだちょっと先を行きすぎか)

そのうち遠くの人とテレパシーで通信できる時代も来そうなぐらいの変化ではある。
電話が初めて世の中に出てきた時代の人にとって、電話はきっと今で言うそれぐらいの存在だっただろう。