繰り返すことの意義

中3生はもうこんな時期である。
昨日やった最後のトライアルは昨日のうちに4教科返しておいた(最後の時間の社会だけは即返却できなかったので後日。秒で採点できる装置があるとよいのだが)
塾でも一部解説するが、こんな時期なので自分でも早く直しを早く始められるように採点を急いだのだ。
解き直しはさっさとかたづけたい。
そして
最後の仕上げはくり返しである。

トライアルの結果から、最近英語がちょっと不振に陥っているように思うある子に過去問数年分を年度別で新しく刷って渡しておいた。
問題そのものは「賢者の石」でとっくの前に解き終えて彼がもう直しまで完了し私もそれを確認した年度。

くり返すということだ。

直したからといってまたできるとは限らない。
間違えたらまたそこを解き直しだ。

 

 

それはさておき。
先月の寒い時期にどこかで「2月は暖かくなる」という長期予報を聞いた気もしないでもないが、寒かった今月もそろそろ終わり。
今日からはだんだん暖かくなり、今週末には4月上旬並みなんて言葉も聞かれている。
入試の日も暖かくなりそうである。

それはそれで今度は気になるのが花粉症。
弊塾生に重度の花粉症患者はいないように見受けられるが、軽度ならいるようだ。
入試に影響しないことを祈る。
そういう子には当日は雨が降ってくれたほうがいいのか。
しかし今度は天候が悪いと花粉由来ではない鼻炎になる人もいるだろうからこればかりは何とも言えない。
うちの塾生に限らず、受験生のみなさんが万全の体調で臨めることを願う。
今日は国公立大学の二次試験の日でもあったか。
いよいよ「受験シーズン」も終盤ということである。

花粉症とは全然関係がないが、この塾ができて初期の卒業生に「手汗が出る」のが悩みの生徒がいた。
問題用紙や解答用紙がベタベタになるくらい汗をかいてしまうのだ。
彼女は真面目なので試験開始前にちゃんと手を挙げて「手汗がひどいのでハンカチを置いて使ってもいいですか」と試験監督の先生に確認したようだ。
もちろん字も書いていないハンカチを持ってきていたので許可されて、ハンカチの上に手を載せて解答用紙に字を書いていたそうである。

その彼女が在籍していた当時にくれた、中学校の行事に関連するシールがある。

せっかくもらったものなので大事にしまっておこうかと思ったが、みんなの視界に入るところにはっておいたほうがシールが生きるだろうと思い、もらってしばらくしてから賢学塾の入り口本棚の横にはっておいた。

二十数年経った今もそれは塾に残っている。

その行事が行われていた(今はもうないはず)一時期までは、それに気付いた生徒が「あっ」と声を上げていた時期もあった。
そのたびに「あなたたちの先輩が残してくれたものだよ」と言っていたのを思い出す。
今もあのシールを見るたび、あの頃のことを思い出す。

彼女たちの世代も、もう40歳を超えている計算だ。
みんな元気に幸せに暮らしているだろうか。
無事に幸せに生きていたらそれでよい。

それにしても時間がたつのは早い。
あのころ「最低5年はこの塾を維持しないといけない」と必死だった。
その5年先がずいぶん遠くに感じられたものである。
PCで当時「パソコン通信」をしていて(インターネットが普及する前、ブロードバンドもない時代のことだから、電話回線をいちいちつないだり切ったりして通信していた時代だ) そこで遠隔地のいろんな塾の方と知り合いになった。
開業したばかりだった私には、長く続けられている塾さんが大変羨ましかったのを思い出す。

気づいたらこの夏28周年となる賢学塾であった。