ジェットコースター

11月に入るまで「まだ夏か」と思うほどの天候だったが、短い秋が終わり、もう真冬の候である。
「秋」というものがない。
ジェットコースターのような激しい展開の気候だ。
塾で冷房も暖房も両方とも要らない時期は年間どれくらいになるのだろう。
そういう意味でも先日のエアコンクリーニングはやってもらって正解だった。
追加でとりあえず2台お願いしたいところだが、いつお願いしよう。
3月まではじっとしているが、夏までには何とかしたいところだ。

それはさておき。

石油の値段が高い+エアコンの性能が昔の機種よりはよくなっているので、最近はもうずっと暖房もすべてエアコンだ。
塾でも家でも。

平成のころまでは塾の事務室の暖房は石油ファンヒーターだったし、自宅の居室もそうだった(塾の教室に関しては開業時からずっとエアコン)
石油ファンヒーターは石油ファンヒーターで暖かいのだが、給油の必要があるの+換気の必要があるの+授業中にいつの間にか切れてしまっている(授業で事務室を離れている間に3時間延長ボタンを押せていないため)のが難点だった。
今も使うことはないわけではないが(いちおうある)、真冬の雪が積もるような日だけと言っても過言ではない状態。
まだ灯油も買っていない。
昨年は厳冬期に備えて買った灯油が残ってしまい、家に持ち帰った(家に「石油ファンヒーター好き」がいる)

思えば石油ファンヒーターは壊れたor性能が落ちた(臭うようになる)というので何台か買い換えたが、塾での2台目ぐらいがSANYO製だったか。
SANYOといえば開塾したときの初代エアコンもSANYO製だった。
先日も書いたようにこの前まで事務室にあり、買い換えてさよならした冷蔵庫もSANYO。
別にSANYOのファンだったわけではないが、気付けば平成の頃はSANYO製に囲まれて暮らしていた。
そのSANYOも今はなく。
そして冷蔵庫の買い換えで塾からもその存在がすべて消えた。

自動車業界の再編の動きがここのところのニュースだ。
ホンダと日産が経営統合するという。
あわせると世界3位の自動車グループと聞くと景気のいい話だが、内実は日産の救済と外資(台湾企業)による買収からの防衛、さらに両者の生き残りをかけたもので「弱者連合」の風味が強い。
業種は違うがPanasonicがSANYOを救済合併して、その後どうなっているのかと言われると…。
日本では依然としてPanasonicの存在感はあるが、世界市場ではどうなのだろうという。

そしてこの地方で言えば、安八町の往年のSANYOの大工場も太陽電池パネルを残して跡形もなく消えてしまっている。
アメリカの「ラストベルト」どころの騒ぎではない。
家電で世界を席巻した日本の姿はもう昔話だ。
あっという間の凋落。
自動車業界も遠くないうちに同じ道をたどるのか。

思えば私が免許を取るか取らないかという若い頃には三菱自動車が元気だった。
その三菱自も今は日産の傘下であり、今度はその日産そのものが傾きかけている。
企業に栄枯盛衰はつきものであり、アメリカでもWindowsパソコンと二人三脚で成長し「帝国」を築いた「Intel入ってる」のIntel社が凋落しているというぐあいにどんな国でも業種でも起こること。
だが、アメリカでは代わりにNVIDIAが出てきたり落日のビッグスリーに代わってテスラが出てきたりして「入れ替わっている」感じだが、日本では落ち目の企業ばかりが目立っている感じだ。

そして気付いたら日本から産業そのものがどんどん無くなっている。
1990年前後のバブル経済絶頂期からまだ40年も経っていない。
1990年代にはまだ「電子立国」なんて言っていたし、実際に世界でそれだけの存在感があったが今や見る影もない。
あっという間の転落劇である。
ジェットコースタージャパン。

この先どうなっていくのだろうか。