英語力民間調査 日本は92位 調査開始以来 最低水準https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241116/k10014640391000.html
義務教育の英語は以前と比べるとだいぶん厚みを増していて、今や中3ではかつて高校生が学んでいた現在完了進行形や仮定法も学習している。
文法だけでなく表現も以前よりもたくさん学んでおり、教科書には実践的な会話のページも増えているし、実際、学校の授業でも時間を割いてやっている。
さらにICTの活用で学習もより容易になっている(どの程度活用できているかという問題はさておき)。
にもかかわらずこれというのはどういうことかなと思ったら、調査の対象が(この記事には書いてなかったが)、調べると18歳以上(つまり大人)で、平均が26歳というから比較的若めの社会人が主な対象ということのようだ。
だからこの結果を受けて「学校の英語教育が~」と嘆くのはちょっと違うようである。
確かに大人も昔の学校教育で英語を学んだのだから、一昔前の英語教育に対しては当てはまらなくはないが、現在の学校教育に対する直接的な警鐘ではないということには留意したい。
だから記事にも、
実施企業は、社会人向けの生涯学習プログラムの提供など、英語教育の改善が必要だとしています。
と書いてあり、つまりは学校を出た後の英語教育のほうに目を向けている。
生涯学習、数十年来叫ばれて続けているテーマだ。
最近言われた「リスキリング」も一種の生涯学習だろうか。
小学校から英語を学んでいる今の子たちは、もうじゅうぶん英語は学んでいる。
下の学年から学び始めてボリュームが増えた結果、中学生の段階でもうかなりの格差が生じていることは先日の入試結果についての投稿で書いたところだ。
それが何年か後のこの調査でどう影響するのか、できる人は増えてトップはさらにできていると思うが、できない層も増えているとも考えられ、全体としての力がどうなっているか。
10年ぐらい後に注目している。