袴田さん事件の再審

昨日、袴田巌さんに無罪判決が出た。
逮捕から58年、死刑確定から40年、再審開始決定から10年という実に長い年月の末のことだ。

ご本人に代わって出廷した袴田さんのお姉さんに対して、裁判長が裁判に時間がかかったことを声を詰まらせながら謝罪したという。
異例のことだろうが、的確な対応だったと思う。
裁判官がまさに自分の良心に従って行動した瞬間だったのだろう。

すべてが長かったが、特に再審開始決定からの10年というのが異常だった。

再審決定や昨日の無罪判決のような裁判官がもっと以前に彼の前に現れていたら、袴田さんがここまで長く苦しむこともなかったのにと思ってしまうが、彼らもまた再審という過程だからそういう判断ができたのだろうか、そのあたりは分からない。

ともかくもよかった。

こういうことがあると、もう少し先にある中3社会の公民の授業「司法権」のところでついつい話が長くなってしまうのだが、彼らが裁判所のところを勉強する頃は11月か12月か、いずれにしろそんなに余裕があるわけではない時期なので自重しておかないといけないと自分への戒めとして今から書いておく。

だいたい昨日のテレビを見ていたら解散総選挙が10月末だとか11月だとか言っている。
公民の授業にドンピシャのタイミングになる気配だ。
うっかりそこで小選挙区比例代表並立制の仕組みについてかなりの時間を使ってしまいそうになる。
比例代表の議席配分方式であるドント式よりも、この並立制のくわしいしくみのほうが実際にはとても重要な気もするのだが、テストではなぜかドント式の方がよく出される。
惜敗率や重複立候補、供託金没収ラインなどについて具体例を挙げて誰が当選するのかというテストがあったら面白いのに。

…などというふうに無駄に話を広げるからいけない。
気をつけたい。