家族が「某ドラッグストアチェーンの新店舗が隣町にオープンする広告が入っていた。どのあたりだろう」というので調べてみたら、私も何度か行ったことがある書店の跡にできていたので、すぐ場所が分かった。
本屋の跡・・・あの書店、閉店していたんだと知る(最近行っていなかった店だ)。
東海地方にたくさん店を持っている(大垣市内にも店がある)書店だが、リストラだろうか。
振り返れば一時期は、件の書店のごとく郊外のロードサイドに大きめの店が次々にできて、街中の古くからある書店が押されていたものだが、それはもうかなり前の話。
街中の書店が次々に消えるばかりか、その押していたはずの郊外のロードサイドの店も次々に消え、現在元気よく残っているように見えるのはショッピングモールの中の本屋だけのようだ。
人の流れがそうさせるのだろう。
今や大垣駅を降りてすぐの本屋と言えば駅北のアクアウォーク内の書店になるのか。
今、駐車場になっている駅南のタクシープールの向こうには私の子どもの頃、本屋があり、大勢の客がいつも入っていたのを思い出す。
それはあまりに古い話か。
(そこには書店なきあとビルが建ち、その中にあの某塾が入り、某塾拡大の原点となっている。そのビルもなくなって今や駐車場だ)
駅ビル(旧アピオ、現在のASTY)の本屋も今はもうない。
共立銀行と十六銀行の支店が向かい合う駅前の交差点を越えて駅前通りを少し行ったところにも本屋があって、高校生の頃の私はそこで模試の申し込みなどしたものだが(昔は書店が高校生の模試の申し込みを取り次いでいた)、もう随分前になくなって違うものになっている。
この塾のすぐ近くでも、かつて「薩摩屋書店」を名乗って開業した書店がやがてTSUTAYAになり、そしてついに閉店して現在そこにはフィットネスクラブがある。
すぐ近くに本屋があるのは便利だったので閉店は残念だった。
ネットが発達していない時代は、塾の授業が終わってから歩いて出かけて本や雑誌を買ったりもしていた。
しかし閉店する頃には自分もあまり行かなくなっていたことを思い出し、自分の発した「残念」という言葉のむなしさを知った。
この本が欲しいと思ったら、本屋で探さなくてもネットで探して買えてしまう時代。
今の私も本屋に行くときは「最近はどんな本が出ているのかな」と眺めに行くのが主で、「この本が欲しい」と決めていて買うときにはネットを使ってしまうことが多い。
電子書籍の波もやってきている。
こういう時代に書店がどう生き残っていくのだろう。
映像の世界ではネット配信が充実してレンタルビデオ店が消えていったが、他方で映画館はシネコンを中心に残っており盛況だ。
何が消えて何が残るのか。
先はなかなか見通せない。