昨日のニュースから。
シャープ、大型液晶パネル事業撤退 大手電機の国内製造拠点ゼロに:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASS5G416QS5GPLFA002M.html
日本の家電メーカーが苦境にあるのは今に始まったことではないので、それに関連した撤退・縮小・事業売却・経営破綻その他いろいろなニュースには全然驚かなくなったが、ほんの十数年前「世界の亀山モデル」と称して亀山工場生産のテレビを売っていた会社が、あっという間にここまで転落したことの衝撃は小さくない。
「世界の亀山モデル」というシールの貼られたシャープのテレビ、うちのリビングにもあるのだ(もちろんまだ現役だ)…
そのシャープ亀山工場も今はテレビ向けの液晶でなく、中小型パネル(要するにスマホ・タブレット向けか)の製造をしているそうだが、こちらも縮小と。
かつてNHKが「電子立国 日本の自叙伝」などという番組を作るほどに日本が半導体産業をリードしていたのがバブル経済の頃。
今は見る影もないが、もう30年以上前のことだから今そうなっていても不思議はない。
調べたら21世紀初頭でもまだ日本のメーカーが世界の半導体市場の主要プレーヤーとして名を連ねていた。
日本の半導体産業はそれなりに栄えた時期が一定程度あって今日の凋落がある感じだ。
しかし液晶の勢力図の大変化はここ10年ぐらいのことではないか。
だいたい液晶テレビ、カラーの液晶モニターというものが身の回りで普通にありふれたものになったのが今世紀に入ってからだろう。
私がPCを触るようになったのはちょうどこの塾を開校するタイミング、つまり1997年(それまではワープロ専用機を使っていた)。
当時のデスクトップPCについてきたモニターはCRTつまりブラウン管だった(考えたらその前のワープロ専用機は液晶画面を持っていたが、白黒のしかも粗い画質のもので今とは比較にならない代物だった)。
次に買ったWindows98搭載機を買ったときもCRTだったはずだ。
それを液晶モニターに買い換えたのは今世紀に入ってから(記憶が曖昧だが)。
テレビの液晶化はもっと遅く、私の部屋には21世紀に入ってもブラウン管テレビが(ビデオデッキのついた「テレビデオ」だった。懐かしい)ずっと鎮座していた。
多くの家庭は地デジ対応のときに本格的に液晶テレビを購入しているのではないか。
我が家には地上波がアナログだったころの液晶テレビが2台ほどあったはずだが、液晶テレビは最初、今ほど大画面でないのが普通だった気がする。
地デジ切り替えの頃から次第にテレビが大型化した記憶(うろ覚え)。
あの頃、テレビはバンバン売れたと思う。
地デジ対応のテレビに切り替えないと、全く見られないのだから当然だが。
今なら「買い換えないといけないならもうテレビは要らないや」という人も大勢出そうだが、当時はまだ今ほどネットが発達していなかった。
その需要(特需のようなものだ)が去ったあたりから一気にジェットコースターのように日本のテレビ、そして液晶の凋落が来た感じだ。
本当にあっという間だった。
液晶テレビ、液晶モニターの価格もずいぶん下がった。
弊塾のPC用に最初に買った液晶モニターの半分以下の値段で、あれよりずっと大きいモニターが昨年買えた(もちろん日本製ではない。日本の会社でもない)。
ずいぶん値崩れしているということだからそりゃメーカーは儲からないか。
いずれにしろ、時代の流れがとんでもなく激流だ。
日本の産業がーとかいう大きな話をしたいのではない。
(そんなデカい話は私にはできない)
今、ものすごい勢いで時代が流れているということを改めて痛感したということだ。
AIの時代になり、これからますます時代の流れは激流になっていくだろう。
その猛スピードの変化の先に人類を待っているものは何だろうと遠い目になる朝だった。