県内の私立高校(全日制)の志願者数は
2023年春 14902(うち単願が3074)
2024年春 14727(うち単願が3014)
微減だった。
昨今の少子化傾向と裏腹に、県内の中学卒業生の人数がほぼ変わらなかった(むしろわずかに増加した)2023年春→2024年春だったので、これは全体としてみるとやや厳しい状況だったかもしれない。
各高校を見てみる。
岐阜地区と西濃地区の高校を取り扱った。
大きく見ると少子化の流れが続く昨今だが、岐阜地区と西濃地区では2023年春→2024年春で1~2%中学卒業生は増えている。
つまり、それだけで考えると、各高校の志願者は横ばいか少しだけ増えていてもいい状況だということになる。
まず一番近い大垣日大
2023年春 2044(うち単願が250)
2024年春 2227(うち単願が264)
昨春「随分減った」と書いた大垣日大だが、今年はだいぶん増やした。
西濃地区の中学卒業生の増加割合以上にだいぶん増えている。
今春の西濃地区の公立高校入試が2023年春より厳しくなった(つまり公立を不合格になって併願先の大垣日大に行くことになった生徒が去年よりも多かっただろう)こととあわせ、大垣日大にはだいぶん追い風が吹いたようだ。
昨夏、5年ぶりに野球部が甲子園に出たことも多少は影響しているのだろうか。
次に岐阜第一高校。
2023年春 857(うち単願が186)
2024年春 753(うち単願が151)
だいぶん減らしてしまった。
単願も減っている。
共学化して数年が経ち、その効果(インパクト・目新しさ等)が薄れてきているということだろうか。
それとも在校生から五輪メダリストを出したというお祭り騒ぎが終わったということか。
在校生が五輪に出るだけでもすごいことなのにメダリストになってしまったのだから2023年春が「お祭り騒ぎ」だったとしても当然だが(五輪は2022年2月)。
岐阜市内の私立も見てみよう。
鶯谷高校
2023年春 1784(うち単願が137)
2024年春 1731(うち単願が148)
志願者総数では微減という感じだが、岐阜高校や岐阜北高校、さらに大垣北高校の出願状況を見るに、これらの高校の倍率が緩かった2023年春と違い、併願からの入学者はそこそこ確保したかもしれない。
岐阜東高校
2023年春 1306(うち単願が163)
2024年春 1384(うち単願が161)
富田高校
2023年春 1465(うち単願が218)
2024年春 1414(うち単願が243)
岐阜東も富田も同じ学校法人で同じ敷地にある。
併願志願者数を伸ばした岐阜東と単願志願者数を伸ばした富田。
いずれも好調だったといっていいだろうか。
岐阜聖徳学園高校
2023年春 1776(うち単願が272)
2024年春 1808(うち単願が282)
岐阜・西濃地区の中学卒業生全体が増えた程度の微増だが、悪くはなかったということでいいだろう。
しかも単願は増えている。
済美高校
2023年春 887(うち単願が191)
2024年春 849(うち単願が209)
こちらは全体としては微減だが単願の志願者を増やしている。そういう意味ではまずまずといえるか。
ただその単願も最近この高校が力を入れている普通科よりも商業・保育・看護の志願者数増加で何とか踏みとどまっている感じなのは気になるところだ。
岐阜女子高校(厳密には岐阜市外(岐南町))
2023年春 226(うち単願が104)
2024年春 185(うち単願が81)
この学校はもともと規模が小さく一人一人に目が行き届くのが売り。
今春は単願の志願者をだいぶん減らしてしまったようだ。
食物科は定員近くを単願で確保しているようで変わらず人気だから不振の原因は普通科。
食物科は制度上、定員が厳格なのだそうでそういう意味では悩ましいところだろう。
聖マリア女学院高校
2023年春 93(うち単願が91)
2024年春 120(うち単願が113)
ここも小規模でやっているが、この高校の「単願」は聖マリア中からの内部進学者がほとんど(いわゆる中高一貫カリキュラムではないがほぼみんな内部進学する)。
よって志願者数も高校入試の成否の問題ではなく、当該学年の中学受験時点での募集が成功だったということだろう。
岐阜地区と西濃地区の私立高校をざっと見てきた。
受験生や保護者の方には各高校の規模感から伝わっていないことが多いが、規模は概ね志願者数の多寡に比例していると考えてもらっていい。
定員も書こうかと思ったが、私立高校の定員は公立高校のような厳格なものではないので(食物や看護など一部の学科を除く)、書くとごちゃごちゃするだけと思い省略した。