小学校も中学校も高校も大学も新年度が始まっている。
中学校や高校の入学直後と違って、大学の入学直後、毎朝困ったことがある。
「何を着ていったらよいのか」
下宿している同級生の中にはジャージにサンダル履きの気楽な格好で大学に来ているものもいたが、大垣から名古屋までJR東海道線に乗り、名古屋のど真ん中(栄)の下をいつも混み合う地下鉄東山線に乗って通り、さらに名古屋の原宿などと一部で言われていた(あれは何だったのだろう)本山のあたりを歩いて大学まで行く人間が、ジャージにサンダルというわけにはいかなかった。
(今から思うと、そう意識する段階で既に私は「負けて」いたのかもしれないと思う。別にそんなことを気にする必要もなかったのかもしれない)
大学に制服は当然ない。
高校までの制服生活がいかに楽だったかを痛感した。
大学に入った頃から毎日ジーンズをはくようになった。
ジーンズは便利だ。
何も考えなくていい。
働き出すまでほぼ毎日、下は夏も冬もジーンズだった。
と言うか今も休みの日はジーンズを着ていることが多い。
好きとか嫌いでなく、あれこれ考えなくていいから楽だという理由でしかない。
問題はトップスだ。
真夏はTシャツ1枚でよかったが、春秋のちょうど今のような陽気のときが特に困った。
何を着ていったのか今となってはあまり覚えていないが、とにかく困った。
これが流行りの格好かもしれないと思って着ていった格好を、うちの大学の食堂に来ていた知らない南山生にあからさまに「これだから名大生は」と笑われたこともあった。(うちの大学が「隣の大学」というと南山大学。キャンパスがきっちり隣接しているわけではないが歩いて行けるほど近いところにある。特に教養部(当時)や文系学部の校舎が並ぶ南部から南山は近かった。そういうこともあってか、当時の南山大学生はたまにうちの大学の食堂に来ていた。うちの大学の食堂、当時は混雑している上にあまり・・・だったのだが(今は知らない)。こんな食堂にわざわざ来るのだから南山大学の食堂がどうなっているのか、こっちからも一回行って確かめてみようかという話も同級生としたことがある。結局私は卒業まで行かなかったが)
そんな思い出しかない。
結局、服装に関する悩みは働き出してスーツを着るようになるまで続いた気がする。
今でも服装に関することは苦手の部類に入る。
「コーディネートはこうでねえと」と言われても分からない。
自分の好きなように適当に着ている。
他人に不快感を与えるとかなら別だろうが、基本はそれでいいと思っている。
最近は服装が自由化された公立高校が県内にもあるという。
私のようなファッション音痴を作らないため、高校生のうちから訓練する必要はあるかもしれないと思わないでもないのだった。