2020年3月18日を終えて(2)

帰宅。
昼食中も続々電話がかかってくる。
西高の合格組からだ。
彼らもみんなよく頑張った。
結果、余裕で合格できる位置にいたのだ。
全然あたふたすることもなかった。
東高で会えなかった子からも電話をもらった。
昼からの仕事の段取りを考えながら昼食を済ませ、
休憩もそこそこに塾に向かう。
午後1時、塾に到着。
まずは外の掲示だ、いやホームページの更新だと
気持ちが散漫になりながらのんびりと作業をする。
弊塾がホームページとしているこのブログには
前の前の記事のような内容で全員合格を掲載した。
3年連続、この記事が書けたことを嬉しく思う。
いや、その前、つまりこの春高校を卒業した第20期生たちも立派だった。
合格したから立派でそうでないから立派でないなどということは断じてない。
ただ、今日の彼らは全員合格した。
そのことを素直に褒め称えたい。
完勝と書いたが、これは賢学塾第23期生というチームの完勝だ。
栄冠は君たち第23期生というクラスタに輝いているのだ。
  
2階の窓の掲示。
公立高校全員合格おめでとう、でもよかったのだが、
今年は高専入試(学力選抜)も2分の2、
つまり全員合格だったのだ。
そこも分かるような掲示にしたい。
昨年までのものに手を入れ、
おめでとうの部分を小さくすることで文字数問題を解決。
「国立高専公立高校全員合格おめでとう!」ということにした。
Img_20200318_144618
この掲示、あなどれないのは
道行く関係者(?)のみなさんが
毎年結構見ているらしいこと。
これを見た卒業生やその保護者さまから
「今年も全員合格だったんですね」と
声をかけられたりすることもある。
だから欠かせない作業になっているのだった。
 
そんなこんなで3時頃になり、一人目の来訪者。
彼の家からは前日に来訪の「予約」をいただいていた。
彼は北高にうかった。
未来の塾生になるかもしれない?妹さんを引き連れてのご来訪。
真面目なので高校でもきっと不安無く学習を続けてくれることだろう。
それを皮切りに続々と来訪者の方が。
ある子は(やはり北高合格者)当日朝まで不安で
今朝も神社にお参りに行ったりしたとか。
入試当日それほど落ち込んではいなかったように見えたが、
途中で答えの確認作業から離脱していたので
私も少しだけ気にはしていた。
しかしそこまで気にしていたとは。
別の子は(これも北高合格者)
去年大学に合格したお兄さんと一緒にやって来た。
都会生活に多少染まったか、
おぼこい田舎の高校生だった彼も
アーバンな雰囲気を漂わせ(ようとし)ている感じだった。
彼の家はこれで兄弟4人すべて北高。
全員、ウチの塾の卒業生だ。
さしずめグランドスラム達成というところか。
兄弟姉妹3人塾生というのはウチの塾でもこれまで複数組あり、
3人とも北高というご家庭もこれまでにあったが、
4人は初めてだ。
今を遡ること15年前、
中1に上がる(ときだったと思う)一番上のお兄さんがあちこち塾を探していて
偶然(だったと思う)ウチを選んだことが
彼の家との関わりの始まりだった。
あのときお兄さんがウチを選んでいなければ、
弟たち3人もここに来ることは無かっただろうし、
彼が途中で塾を辞めたりしていたら、
やはり今日を迎えることも無かっただろう。
縁とは不思議なものだ。
先達となったお兄さんには改めて感謝したい。
彼もお兄さんには感謝して欲しい。
と書いたが、4人目となった彼の重圧は
相当なものであっただろうとは思う。
特に昨春、3人目のお兄さんが大学にうかったときからは
別の重圧が重なったかもしれない。
もっとも、彼自身の普段の姿からは
そんな重圧などつゆほども感じさせない様子だったし
私も一切気にする素振りを見せなかったが、
心の底では(ちょっとだけだが)注意してみてきたつもりだ。
高校に入ってからも大変だろうが、
最後の頑張りは本物だった。
立派に受験勉強を仕上げた。
3人のお兄さんたちに引けをとらない学習ぶりであった。
そのことは誇りにしてもらっていい。
ウチの塾23年の歴史の中で
15年(!)もかかわっていただいたご家庭との別れ。
もちろん歴代塾生ご家庭の中でも最長だ。
おそらく今後もこの記録は破られることはないだろう。
塾の敷地内に顕彰碑を建立し、毎日一礼したい気分だ。
寂しいものである。
一つの時代が終わった、そんな気分だ。
 
彼らを送り出したところで、
外で待っていらっしゃる方を発見。
長話をしていたので随分待っていただいたのかもしれない。
申し訳ない思いを抱きつつ中に入っていただく。
東高に合格した子とそのお母さまである。
彼のお姉さん(彼女も卒塾生)
関西の大学への進学が決まっている。
寮に入るそうだ。
大学の入学式は無くなったそうで
こちらもいろいろ大変だ。
普段お元気なお母さまも
上のお子さんの引っ越しやら
下の子の受験やらが重なって
疲れていらっしゃる様子だった。
彼はきわめて真面目だから
高校でも目標に向かって学習を続けてくれるだろう。
3年後が楽しみだ。
 
さて、こうしてご来訪が続くうちに
だんだん日も暮れてきたので
そろそろ帰り支度…と思っていたら
最後のご来訪。
工業に進む子がお父さまとご一緒に。
こちらも大学に合格したお兄さん(彼も卒塾生)の手続きその他で
ご多忙な日々を送っていらっしゃるそう。
そんな中、そのお兄さんと二人で選んでくれたという物をいただく。
これで彼のご家庭との6年に渡るおつきあいもおしまい。
第23期生、卒業生の下の子というパターンも結構多く、
彼らの卒業はつまりそのご家庭とのお別れを意味するもので、
感慨深いものがある。
大学に進むお兄さんは早いうちに進路を決めたが、
本人はまだ将来についてビジョンが無いという。
最近は職業科からも進学・就職両方の道が
きちんと開かれているので、
どちらにも進めるよう、日々の勉強を頑張って欲しい。
まあ、自分のように明確なビジョンだけがあっても
結局どっちらけになってしまった人間もいるんだから、
将来展望を持とうなどと偉そうなことは自分からは言えない。
15歳で将来まで見通せる子のほうが偉すぎるのだ。
彼にもこれからじっくりと将来のことを考えて欲しい。
 
それにしてもいろいろなものをいただいた。
ありがたい限り。
家に帰り、祝杯を挙げる。
今日は我が家の正月だ。
いや、盆も節分も七夕もハロウィンもクリスマスも
みんな一緒に来た感じだ。
とにかくめでたい。
幸せな2020年3月18日であった。