2017年3月17日を終えて

朝7時起床。
身支度を調え、
家を出たのは
午前8時半頃。
この段階でまだ、
どこに行こうか
迷っている。
最も多くの塾生が
受験した高校か、
最も気になる塾生が
受験した高校か。
 
最後の最後まで
決められない。
たぶん、初めての経験。
しかし現地に
行かないわけには
いかない。
半ば本能的に動き、
車を降りたら、
ひたすら歩く。
何を置いても、
まずは現地だ。
今年の賢学塾生、
受験先はわずか5校
(北・東・南・西・商)に
絞られているが
(最近はこの傾向。一昨年だけは受験先がバラエティに富んでいた)
弊塾の「総動員態勢」では
それでも人手が足りない。
私は携帯を片手に
心優しい塾生からの
電話連絡を待ちつつ、
現地をはしごするという
例年通りの動きをする。
 
電話連絡と言えば、
今年一番最初に
連絡をくれたのは
いつも一番賑やかな
M君。
最後まできっちりと
やってくれる。
もちろん今日は
褒めている。
その後、
次々に電話が入る。
合格したという弾んだ声。
こちらも当然嬉しいので
長話をしたいところだが、
そうすると次の電話が
受けられない。
おめでとうの一言で
手短に終える。
後で塾に戻り
着信履歴を確認したら
着信が複数重なって
こちらがとれなかった子も
何人かいたようだ。
念のため、
メールを確認。
電話がつながらず
諦めたのだろう、
メールに切り替えて
連絡をくれた子もいる。
申し訳ない。
来年からは
携帯電話を2台
持っていく(真顔)。
 
さて、現地。
受験前から
最も気にしていた塾生、
残念ながら
番号がないことを確認。
その場でお会いした
合格者N君と
そのご両親とは
もっとゆっくり楽しく
お話がしたかったが
こうなっては
そういうわけにもいかず、
簡単な挨拶だけで
失礼する。
 
歩きながら、
緊張が高まる。
まだ連絡が無い子が
数名いる。
とりあえず急いで
残りの高校へと
向かわなければならない。
改めて名簿を確認。
早々に全員からの
合格連絡が出揃った
西高を除く他の高校が
とりあえずの目的地。
 
焦る気持ちを抑えつつ
市内を巡り
最後に立ち寄ったのが
大垣商業高校。
去年は塾生全員の合格を
確認した後、
参考までにと
立ち寄っただけだったが、
今年は1人、
受験している。
着いた頃には既に
受験生と保護者が
各種学用品の
販売コーナーへと
行列を作って移動中。
体育館の横を抜け、
例年通り掲げられた
昇降口の反対側、
プール前の看板で
合格を確認。
ここで
塾生全員について
その合否の確認が
終わる。
 
そうなれば、
すぐ次の行動へと
移らなければならない。
先ほど不合格を確認した
彼の自宅へと
急いで向かうのだ。
 
気がつけば、
もう11時近くに
なっている。
ご自宅の前に着くと、
中学校の先生らしき方が
(後で聞いたらその通り中学校の先生だった)
家に入られるところ。
自分はそれを見て
彼の家の周辺の道路を
大まわりで2周ほど歩き
先生が帰られるのを待つ。
 
2周して戻ると
先生が家を出るところ。
 
少し間を置いて
呼び鈴を押す。
 
彼と彼のお母様と
私。
 
しばらくお話をした後、
彼の家を後にする。
とにかく残念だ。
ぎこちなく作った
彼の笑顔を見て
余計につらくなる。
本当に残念だ。
力になれず、
申し訳ない。
しかし、
彼にとっては
これはゴールでも
中間決算でも
何でもない。
人生最初の分岐点では
あったかもしれないが、
この先、彼が進む道は
舗装路ばかりではなく
砂利道だったり
ぬかるんだ悪路や
危険な路上障害物も
あるかもしれないが、
長く長く続いていくはずだ。
立ち止まっていてはいけない。
彼が進む高校には
元気で意欲的な先生が
たくさんいらっしゃる。
同じ境遇の仲間も
少なくないだろう。
第一志望ではないが、
この高校だって
彼が努力の結果、
つかみとった進路だ。
次の目標に向かって
頑張って欲しい。
どこかの誰かさんのように
後ろばかり見て、
若く貴重な日々を
無駄にすることのないよう…。
すばらしい高校生活を
送ることができますよう…。
 
 
さて、とりあえず
確認は終わったが、
自分の目で
塾生全員の番号を
確認するまでが
今日のお仕事である。
既に電話連絡で
合格を確認しているものの
まだ番号の掲示を
見ていない高校を、
順に巡る。
といっても、
先ほど書いたように
今年も(昨年同様)、
北・東・南・西・商の市内5校に
受験先が収まっているから、
この時点で残るのは、
全員から早々に
合格の電話をもらい、
現地を後回しにした
西高だけである。
 
西高に着くと、
吹奏楽部が
渡り廊下で
デモ演奏中。
静かに番号を見ていると、
手続きやら物品購入やらを
無事に通過して
解放されたのだろう、
商業に合格している
飛悠君(仮名)から電話。
そういえば彼は、
入試当日もただ一人、
塾に来られなかった。
いずれ入試の得点を
報告に来てくれると
約束してくれたので
その日に会えることを
楽しみに待つこととする。
 
電話を切る。
塾に戻り、
電話の確認やら
メールの確認やらをして
いったん、家に帰り
静かに昼食をとる。
 
午後1時半頃、
再び塾へ。
半ば放心状態で過ごす
昼下がり。
夕方からの仕事に
備えなければならないと
思いつつ
いっこうに体が動かない。
 
例年、
合格発表の日の午後は
来訪者に備えて
塾を開けているが、
1時間以上経っても
誰も来る様子はない。
気が重いこともあり
しばらくカーテンを引き
塾内で音楽でもかけて
引き籠もっていようかなと
思っていた矢先、
合格した子たちと
その保護者の皆様が
次々にご来訪となる。
先客と重なってしまい、
玄関先で失礼した方も
何組か。
夕方になり、
辺りがやや暗くなると、
机に載せきれないほどの
いただきものに囲まれて
一人、座っていた。
思わず、
目から予期せぬ
液体が出てくる。
 
その後、数件面談をこなし、
郵便物など作成して帰宅。
気がつけば今年も
既にたくさんの
お申し込みを
いただいている。
昨年同様、
卒業生の人数分は
もう補って余りある。
感謝の気持ちと、
悔しさを胸に抱いて、
不合格となってしまった
彼のことを思いながら
床に就く。
が、なかなか寝付けない。
気がつくと、
こうして1本、
記事が書けてしまった。
 
入試について
いろいろまとめたいことも
あるのだが
すべて来週以降に回そう。
といっても
春休みは春休みで
「春期個別特訓講座」がある。
春休みが終われば
いろいろ手をつけられるだろう。