高校入試の大変革の始まり!?(3)

政府から出てきた例の公立高校入試の「デジタル併願制」検討の話からいろいろ想像を書いている第三弾。

全部、想像上の話なので勘違いしないように。

前の投稿で私立高校との兼ね合いの話ばかりしてきたが、導入されたとしたら公立高校入試の風景は全く変わる。

まず出願状況というものはどうなるのだろう。
いま現在の制度でも複数学科がある高校について第二志望・第三志望の学科が書けるが、出願状況は第一志望についてのみが発表され、第二志望・第三志望の生徒がどれくらいいるのかは発表されない。
その延長線上で各高校の第一志望の人数だけ出すということも考えられるが、どうなのだろうか。
仮に第一志望の人数だけを出すとしたら、あまり意味のない出願状況になる高校が多くなるだろう(ほぼ完全に意味があるのはそれより上の高校がない岐阜高校だけということになる)
かつてほとんど全員が受けていた時代の岐阜新聞テストのような感じで、成績下位の高校は激しく定員割れしているが第二志望・第三志望にしている生徒がどっと流れてきて実際には…ということになるだろう。
といって第二志望・第三志望の出願状況まで含めて発表し出したら複雑で訳が分からなくなる気もする。

どうなるのだろう。

そうなったら倍率でなく、成績だけを目安に志望校を考えることになるか。
しかし志望動向もその合格する成績水準に影響を与えるからなあ。

最初の投稿で、入試は各受験生の最寄りの高校が志望校に関係なく会場になる(大学入学共通テストが地元の大学が会場であるように)と想定してしまったが、どうなるのだろう。
高校見学に行っておかないと合格発表後の手続きの段階まで自分の進む高校に入ったことがないという生徒が出たりして。

「『デジタル』併願制」とうたっているのもあって合格発表はWEBだけになるだろうか。
(愛知県の複合選抜は「本校に合格」「相手校に合格」と発表するそうだが第三志望以下の高校の合格まであるとなると、掲示では複雑になりすぎる)。

導入されたら数年は合格ラインの見極めが難しいかもしれない。
平均レベルまでの合格者の成績はそれほど変わらないだろうが、各高校の下位層の合格ラインは変わっている可能性は高い。
今の制度で模試のA判定がないと志望校に願書が出せなかったような超慎重派の子にとっては、より上のレベルの高校に合格できるチャンスが広がる。
反対に低倍率のために普通には考えられないようなレベルで合格したというような子が押し出されることになるだろう。

また、不合格は避けたいので念のため第四志望まで書いておいたが、本人にあまりその気がなかったのに(そうなることなど想像もしていなかったら)、その第四志望に合格「してしまった」ことで、合格発表のあと行く行かないで揉めるという事態もありうる。
そういう混乱がないよう、第三志望・第四志望であっても志望を書く以上はその高校に行くこともじゅうぶんあるという心の準備が必要になる。
そうはいっても第四志望に合格した子はいままでの不合格と同じくらいの敗北感を味わうかもしれないので心のケアも大切になる。

今の入試では公立高校合格者はみんな入学するものとして定員きっちりしか合格させていないが、公立第三第四志望合格と併願私立合格で進学先を迷ってこれまたもめるという生徒も出てくるかもしれない。
そうならないよう、迷うようなら第三志望以下は書かないとか私立を併願しないという、中学校での進路指導の徹底が必要になるが、第一志望に行く気満々の直前期の生徒たちに入試を受ける前からそれをあまり強調すると、第二志望まではともかく、第三志望以下を書くことを躊躇する生徒も多くなることが予想され、制度がじゅうぶんに活かされない事態も考えられる。

・・・などと考えてきたが、
まだ岐阜県どころか全国のどこかの県で導入されると決まったわけでもないのである。

政府が検討を始めましょうという段階であれこれ想像しても仕方がないか。
第四弾は…どうしようかな。
実際に岐阜県が検討しているとかいう話が出てきて、その後 制度の青写真が見えてきたら考えなくてはならないが。