私立理系
ここしばらく理系の人材確保の話があちこちで出ているが、国が私立大学の理系を充実させるように誘導する政策を打ち出すようだ。
都市部私大の理系拡充へ1校最大40億円支援…文科省、将来の人材不足に対応 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20251112-OYT1T50057/
文部科学省は、学部構成が文系主体の私立大学で、教育・研究の理系拡充を加速させる方針を固めた。私立大入学定員の4割が集中する都市部の大規模大学を中心に1校あたり最大40億円程度を支援し、学部再編や文系学部のカリキュラムを「文理融合」へと切り替える。
記事のグラフにあるように、私立大学は文系の定員がかなり多い。
ここ20年ぐらい医療系(看護や療法士などの養成課程)の大学・学部が増えて理系が一定数いる計算になっているが(県内にも医療系私立大学は結構ある)、それ以前は岐阜県内に私立理系の四大はほとんどなかった。
遠い昔、私が大学受験するときは「私立大学といえば文系」というイメージだった。
記事のグラフを見ると今も私立大学の学生の半数は文系で社会科学が多いと。
社会科学・・・法学部もあるが経済学部・経営学部が多いのだろう。
しかし理系の充実といっても国立大学ではなくて私立大学か・・・。
確かに少子化が進むなか大学を整理しないといけないフェーズに入っているから、理系学部を増やすのなら、その一方で社会で「余剰」が出るとされる文系を整理しないといけない。
だから文系がより多い私立大学に文系から理系への転換を進めさせるというのが一番近道だというのは分かる。
だが実際のところ大学進学を目指す側(生徒・保護者)からしたら国立大学の理系を拡充させてほしいところだろう。
私立理系の学費は高い。
【専門家監修】大学の学費はいくら必要?文系と理系・国公立と私立別の目安
https://www.benesse.jp/juken/202208/20220825
国立理系の2倍だと思ってよい。
私立に理系の学部が増えるということ自体は選択肢が増えるという点ではよいことなのだが、実際に私立理系に通うとなると(とくに地方民が下宿して都会の私立大学の理系に通うとなると)かなりの出費を覚悟しないといけない。
出費だけの問題ではなく、その先の進路も違う。
国立理系である程度以上の成績のところだと大学院(修士課程)までは当たり前のように多くが進むが、私立理系は難関とされるところでも国立ほど多く進まない。
先述したように大学の定員の整理も絡んでくるようなので難しいところではあるが、理系人材の確保ということなら国立理系の枠を予算とともに拡大するところではないのだろうか。
そうでなければ高校に対して来年から行う「無償化」とまでは行かなくても、学生に対する支援を強化する必要はあるだろうと思う。

