次期指導要領の基本方針の素案が示されたとかいう話。
「得意を伸ばす」探究的な活動強化へ 次期学習指導要領の基本方針 | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20250904/k00/00m/040/432000c
文部科学省は5日、2030年度以降に小中高校で教えるべき内容の基準を示す学習指導要領の改定に向けた基本方針の素案を中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会に示した。
いろんな改定ポイントがあるようだが、塾を運営し受験に関わる人間としてこの記事で特に気になったのはここ。
中学では技術・家庭科の技術分野を教科として独立させた上で「情報・技術科」と改変する。家庭科は単独の教科になる。
ということは評定がつく教科が9教科から10教科になるということなのだろうか。
しかし教科の編成がかわる(数が増える)ならもっと大騒ぎしてもいいと思うが、記事でもさらっとしか書いてないということは、実際の運用上は技術科+家庭科→「技術・家庭科」のように「情報・技術・家庭科」として扱われるのか。
しかしそうならわざわざ「独立させた上で」とか「家庭科は単独の教科になる」とは書かないだろうし、やはり教科が増える方向なのだろうか。
9教科が10教科になるのだとしたら・・・
岐阜県公立高校入試では調査書の評定をそのまま得点に換算して当日点と合算するとは言っておらず(実際どうなのかは闇の中。それとは違い、たとえば岐阜高専は得点化していることを公表している)、3:7とか4:6とか当日点との比を公表しているだけなので、内申点の(各学年の)満点が50点になっても入試の合否判定自体にダイレクトに影響してくるわけではないかもしれないが、内申点が5×10教科=50点満点になるのだとしたら英数国理社5教科といわゆる実技教科が同じ割合ということになり、内申点における実技教科の割合が今より若干だが高まるという点で影響がないわけではない(もし9教科→10教科になるというならの話)。
そうでなくても岐阜高校あたりでは内申がない(程度によるが)受検生は当日点だけでの挽回が以前よりも難しくなってきていると噂される昨今である。
「内申点がない」子が実技だけでとれないわけでは必ずしもないし、岐阜高校の例は全体の中では極端なほうの話ではあるが、内申点の中での実技教科の比率がいまよりも相対的に若干だが高まる変化があるとすれば、他の高校を希望する生徒でも(よい悪い両方向で)気になる人も少なくないはずだ(といっても来年・再来年という話ではないので今の中学生が気にする問題ではない)。
次期指導要領は2026年度には決まる。
この教科問題も含めてどう決まるのか注目していきたい。
実施されるのは小学校では2030年度、中学校では2031年度からだが、その前に移行措置が2027年度から始まる。
本実施までは少し時間があると思ってしまうが、移行措置を考えるともうすぐ先。
教科がどうなるのかというさっきの話はさておき、移行措置というと学習する内容が増えるとか教科書に載っているこれは削除されたとか違う学年に移動するとかいろいろあってやや混乱するのは毎度のことで、それがまたもうすぐやってくるのかと思うと感慨深い。
この仕事を始めてから何度目かの移行措置が、2,3年後には始まる。