西部中は今度の木曜日と金曜日がテストですから、昨日今日がテスト前最後の週末ということになります。例によって昨日と今日は塾も朝から晩までフル稼動です…と言いたいところですが、こういう週末になぜか学校の「土曜授業」が(苦笑)。ということで、土曜日は朝からできず、日程的にやや窮屈なテスト対策となりました。
そして今日、世間では「第3回岐阜新聞テスト」があるというので、中3生はそちらに行っているケースもあるようですが、弊塾の生徒は誰も受験しなかったようです(全員、塾にいますから分身の術でも使わないと無理ですね。「こっちに来い」と強制したわけではありませんよ)。以前から何度も書いていますように、賢学塾では岐阜新聞テストの受験については塾生の皆さんの自由に任せています。が、最近ではほとんど受験しないのが普通になっています。
理由はいくつかありますが、その一つはなんと言ってもこの日程です。今回もそうでしたし、前回もそうでしたが、中学校の定期テスト直前の日曜日が、この模試のために潰されるわけです(第2回は西部中学校の中間テスト前日でした)。進路の決定にほとんど重みを持たない外部模試のために、定期テスト直前の休日を丸ごと捨てるというのは、なかなか勇気の要ることです。まして2学期といえば中3の内申点の決定に重要な意味を持つ大切な学期ですからね。他方、岐阜新聞テストのほうは、学校で進路相談に使われるわけでも無く、弊塾のように塾でもほとんど参考にしない例も結構あり(大いに参考にしている塾もまだあるようですが)、受験して何かの役に立つかというと…。
岐阜新聞テストの問題点は以前からさんざん指摘してきたところですから改めて書くまでもない…と思っていましたが、受験生や保護者はどんどん入れ替わるわけで、数年前に書いたことが今も読まれるわけでもないですから、簡単に書いておきましょう。
まず、出題内容が本番の入試に沿っていません。これは大規模模試の泣き所でもあるのですが、複雑な採点基準が必要な問題は避けています。たとえば公立高校入試では必ず出題される国語の作文はありません(本番での配点は10点です)。さらに自分でまとめる記述問題の代わりに並んでいるのは「本文中から~字で書き抜きなさい」という問題。パズルですね。内容がよく分からなくても字数を数えてこれかなと思って書いたら偶然正解なんてこともあるわけです(たまにいますね、そういう勘のよい子。まあそれも才能といえば才能ですが)。数学では証明問題がありません。いや、あるんですが、穴埋め形式です。本番では自分で最初から最後まで書くのが基本です。配点は10点です。英語は出題パターンそのものが本番から乖離していますし、本番で出される英作文の問題は、国語や数学同様にありません。理科と社会はちょっと事情が異なります。本番入試のほうが以前よりも記述問題を減らしてきましたし、理科は本番の入試のほうが基礎的な内容なので、まあ問題ないかもしれません。ただし、社会は本番の入試のほうが複雑です。本物の入試を見れば分かることですが、紙面いっぱいに文章と図表がぎゅうぎゅうに詰め込まれています。知識以外にある程度の読解力というかリテラシーが必要です。一問一答的な単純暗記で乗り切れると考えると本番で痛い目に遭います。
次に受験者数の問題。今の中3生ぐらいのお子さんを持つ保護者の方(40代から50代前半?)が高校受験生だった頃、岐阜新聞テスト(または岐阜日日テスト)というのは県下で圧倒的な受験者数を誇っていました。日曜日に登校して受験した思い出がある保護者の方も多いでしょう(あの当時は今のように週5日制ではありませんでしたから、岐阜新聞テストがあった週は休みゼロでしたよね)。学校単位で丸ごと受けるのだから当たり前のことですが、受験率は100%に近いものがありました。各中学校もその結果をもとに「強力な」進路指導をしていたので、塾も当然ながらその模試のほうに照準を合わせていたわけです。しかし、時代はもうすっかり変わっています。岐阜新聞テストが中学校から追放されて四半世紀近く(こう書くと岐阜新聞テストが悪いようにも聞こえるかもしれませんが、そうではなくて、当時の文部省の突然の発表で全国的に中学校から業者テストが追放されたのです。1993年のことでした)。「事実上の学校行事」ではなくなり、外部の会場で行われるようになった岐阜新聞テスト、最初の頃は以前の名残で8割から9割の受験生が受けていたのですが、その後、受験者数は年々減少。10月に行われた今年第2回の結果の記事(岐阜新聞)を見たところ、県内総数(公立高校第一志望者という限定付きでしたが)で1万人を切っていました。県内の公立中学校3年生の生徒数が2万人弱ですから、今や受験率は5割程度といったところでしょうか。ちなみに西濃地区に限ればさらに低く、受験しない生徒のほうが多数派という状態です。だから岐阜新聞テストの結果だけを見ると、西濃地区の全高校が大幅な「定員割れ」。しかし現実にはそんなことはあり得ませんよね(笑)。そんなわけで、この模試で「地区何番をとった」とか「志望校内で何番だった」とかいうことには、あまり意味が無くなってしまっています(だって半分あるいはそれ以上が受けていないのですから)。さらに言えば、岐阜・西濃で成績上位の高校に多数の塾生を合格させていると宣伝する大手塾の中には、このテストを受験させない方向のところもあります。つまり、「受けない子がいると言っても、勉強ができる子はたいてい受けている」という話でもなく、ひょっとすると(もしかすると)、実は逆かもしれないということです(そうした大手塾から見たら塵ほどの大きさしかありませんが、参考までに岐阜新聞テストを受けない生徒がほとんどの弊塾の進路実績もご覧ください)。8割がたが受けていた頃、岐阜新聞は「県内の公立高校を志望する生徒のほとんどが参加」と紹介していましたが(それもやや無理がありましたが)、最近ではそういう枕詞は使えなくなりました(半分受けてないのだから当然ですが)。
さらに…と書こうとして、ここまでで既に結構な字数になっていることに気づきました。テスト対策はまだまだ続きますから、今日はこのあたりにしておきましょう。今のテスト対策が一段落して、時間があれば続きを書いてみます。と言って、私は別に「アンチ岐阜新聞テスト」ってわけではないのですよ。むしろ「岐阜新聞テストに頑張ってほしい派」であったのですが、現状では生徒たちの貴重な休日をこのテストのために割くのはいまいちメリットが見えないなと思っている立場です。ウチの塾にとって、2学期の土日は一日残らず、入試対策・テスト対策を行うための大事な日ですからね(ちなみに今年の中3塾生、夏休み明け最初の土日(9/2,3)を除き、ここまですべての土・日・祝日に授業を入れてきました。ブラックな部活動のようだ…さすがにそろそろ息抜きも必要かな(苦笑))。
ここしばらく、空に輝くオリオン座がきれいです。夜はすっかり寒くなってきて、いよいよこの季節が来たんだなと思います。発行を保留してきた英語の「賢者の石」も、まもなく配布(英語は関係代名詞までの文法をやってからでないと手をつけないほうがいいかなという判断です。ウチの塾は学校の学習より極端に先を行くスタイルをとっていませんので)。入試対策はいよいよ最終コーナーの手前というところです。この秋、塾生の皆さんが頑張ってきたことは、1月には結実するはずです。そしてこの冬からの頑張りは2月、3月に…。勉強とはそういうものです。粘り強く、頑張りましょう。