文科省、「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン(仮称))の骨子」を出す
「高校改革のグランドデザインの骨子を文科省が出した」という先週末からニュースになっていた話。
高校改革のグランドデザイン骨子を公表 基金や交付金で国が支援:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASTCX35N8TCXUTIL01TM.html
骨子で示した改革の方向性は、①AI(人工知能)に代替されない能力や個性の伸長、②理数系強化など社会経済の発展を支える人材育成、③多様な学習ニーズに対応する教育機会やアクセスの確保。数値目標の設定も検討している。
今後、グランドデザインに沿って都道府県が実行計画を作り、その取り組みを2027年度に新設する高校教育改革交付金(仮称)で支える。
大学改革のニュースでもそうだったが、ここでも理系の強化が謳われている。
県内の理数教育と言えば、理数科設置の各高校は募集状況が芳しくない。
だからというわけではないかもしれないが、理数科のあった加茂高校は2025年春入試から普通科+理数科→文理探究科に改組して「探究学習」を前面に出している。
このあたりで言えば大垣東高の理数科も募集が厳しい。
現行入試制度の13年間(2013年春~2025年春)で理数科が定員割れしなかったのは2021年春だけであった。
つまり普通科からの第二志望合格で定員を埋めている年が多い。
(完全に蛇足だが普通科からの流入次第・成績次第で理数科・第一志望の生徒が普通科からの「第二志望・理数科」の生徒に弾き出されることもあるので注意が必要である)
やっている教育内容に問題があるというよりも(案内を見ただけでも興味深い学習内容は多い)、数学(理科)が苦手→理数科を敬遠という受験生の傾向なのではないかなと思う。
そういう状況の中での国の理数強化の号令である。
今後、加茂高校のような探究科等へのリニューアルがあったとしても(探究型学習も最近のトレンド。岐阜県教委からも昔、理数科→探究科の検討なんていう提案が出ていた)、昔のように普通科だけの高校に戻すということは起こりにくそうである。
今日取り上げたニュースの「元ネタ」である文科省の該当ページにある資料
高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン(仮称))骨子 (PDF:237KB)
を見ると、
高等専門学校の新設 (専門高校の高等専門学校への転換を含む。)は、国の「大学・高専機能強化支援事業(成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金)」等の支援により促進。
という記述もあった。
愛知県が既存の工業高校(愛知総合工科高等学校)の校舎の一部を利用して県立高専の開校を目指すという先日書いた動きも、国のこうした流れに沿ったものだったかなと思った。
愛知県は「ものづくり」の県であるが、それは(規模は違えど)岐阜県も同様である。
岐阜県には国立の岐阜高専が既にあるが(それを言ったら愛知県にも国立の豊田高専があるか)、県としてはこういう動きもふくめて検討しないのだろうか。
で、それはさておき。
岐阜県教委は(高校再編で先行する他県と違って)こういう国の方針の発出をじっと待っていたのだろうか。
国からのこうした号令を受けて今から立てるという実行計画に高校再編等も含まれるということなのだろうか。
とすれば、2029年春入試から?という高校再編というのは日程的に難しいだろうか。
あるいはここから今年度末までに一気に動いて、2029年春に余裕を持った状態で何かを出してくるのだろうか(2026年春ごろまでの発表なら実施まで3年あることになるので何でも遅いと定評?の岐阜県教委としてはよくやったほうということになる)。
そんなことをいろいろ思って接したニュースであった。

