教え合い

岐阜県が異学年の生徒の教え合いを後押しするというニュース。


上級生が下級生を教える異学年教育、岐阜県が後押し 小中5教科、 来年度から財政支援目指す|岐阜新聞デジタル
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/605320
岐阜県は、小中学生の上級生が下級生に勉強を教えることで双方の学習意欲が高まる異学年教育について、5教科での導入に前向きな市町村教育委員会を対象に、来年度から財政支援する方向で県教育委員会と協議に入った。

異学年教育は、上級生が下級生に教えることで、自身が周囲に必要とされていることを実感する自己有用感の高まりや、学習意欲の向上につながるとされているもので、助け合いや思いやりの心が育まれる効果もあるとされる。


上級生が下級生を導くというと勉強以外なら縦割りの諸活動としてこれまでどの学校でも見られてきたことだと思うが、学習でそれを積極的に推し進めようという動きのようだ。

学習者が教え合うと教える側の力も伸びる、いや教える側の力「も」じゃなくて教える側の力「のほう」が伸びるとはよく言われることである。
誰かに教えることでその学習内容の理解が深まる現象を「プロテジェ効果」という言葉で表すそうだが、そういう言葉を知らなくても実感として持っている学習指導者は多いだろうと思う。
実際に誰かに教えなくても誰かに教えるつもりで考えるだけで効果があるそうで、弊塾で実践してきた「対話と問答」もこれだなと。
塾で上級生が下級生を学習指導するというのは、やったら面白いと思うが(実際にやっている塾の話を昔聞いたことがある)、弊塾ではやっていない。
その代わりに「どうしてそうなったのか」いちいち私が訊いて、対話と問答で彼ら塾生に確認してきた。
私が納得するにはどうしたらいいか、彼らは考える。
私相手では自己有用感にはならないだろうし学習意欲の向上につながるかどうかは知らない。
助け合いや思いやりの心が育まれるなんてことは私相手では考えられないだろう。
が、学習内容そのものの習得にとっても大変有益なことだと思って30年近くやってきた。
上級生は下級生にわかってもらうために悪戦苦闘する過程で自らの学びの奥行きを深くしていくことだろう。
現実の学校でこれをやっていくうえでの苦労もまあいろいろ想像はできるが(学校外の人間が軽く思いついただけの想像なので書かない)、方向性としてはいいことではないだろうか。
うまくまわることを祈る。

 

岐阜県大垣市の学習塾「賢学塾」です。