今日はどんどん格差拡大中の英語について。
まずは今春(令和7年度・2025年春)入試の英語の得点分布から。

平均点は56点であった。
現行制度過去最低(54点/2020年春入試と2023年春入試)には及ばないものの、岐阜県の公立高校入試の英語の流れの中ではまあ低いほうだったとはいえる。
平均が低いほうだったといっても下位層がやや膨らんだためと思われ、上位層にとってはほとんど関係なかったようだ。
20点以上の各階層がほとんど変わらないとはいえ、60点から少しずつ増えて最も多いのが最上位層というのが特徴的なグラフになっている。
ちなみに平均54点だった令和2年度(2020年春)と令和5年度(2023年春)入試の英語は下の通り。


同じ54点でも中身が違う。
上の2020年春は上位層が若干押さえつけられて(下位層も少ない)若干格差が小さくなっての54点だったので、英語が得意な生徒でも「少しだけ難しめ」だったかもしれないが、下の2023年春は30点未満の下位層が増えたのがおもな原因で平均点が下がった入試で、上位層にとっては難易度が上がった感じはなかったかもしれない。
逆に現行制度で過去最高の平均点(62点)だった年度の一つ、令和3年度(2021年春)入試を見てみると

やはり山型にはなっていないが上から下までフラットというわけでもなくて上位層のほうが厚みがある。
80点以上で3割もいればじゅうぶん易しい入試だっただろう。
この年は出題ミスがあり当該問題について全員に+3点されている。
それも若干影響しているかもしれない。
ちなみに昨年度(令和6年度・2024年春)入試は岐阜県の入試の英語の中では難しくも易しくもないレベルでこんな感じの得点分布だった(平均58点は岐阜県の入試の英語ではごく普通の年)。

冒頭で紹介した2025年春よりすぐ上の2024年春のほうが平均が2点高かったのに少しだけ最上位層が少ないし、上位に向かっての盛り上がりもない。
英語の2025年春は前年度比で平均点が少しだけ下がったのに、最上位層ではより易化していたのだ。
テレビの解答速報を担当している某塾のおもな生徒層のレベルを考えると、英語の平均点が少し上がると予想して外してしまったのもあるいは無理はないのかもしれない。
…とまあつらつらと書いたが、いくつかの年度の得点分布を見てもわかるように、英語はいつの年度を取り出してもほぼフラットな分布である。
普通、人並み、そこそこ、そんな言葉はそこには存在しない。
とれる者は満点を目指して取るし、とれない生徒も相当数いるのが英語。
自分でどんどん先に進んで学習し、高校レベル、いやもっと先まで行っている生徒もいる一方で、基本的な文法知識や単語のつづりから覚束ない生徒もいる、そんな学校の教室で授業を運営している先生方は本当に大変だと思う。