得点分布に注目してみる(先日発表された2025年春岐阜県公立高校入試の平均点ほか成績の話から)

昨日は5教科合計の平均点の話しかしていなかったが、同じ資料にある得点分布を見るとなかなか興味深いことに気づく。
下のグラフはこのほど発表された2025年春の結果と現行制度下で過去最低の平均点だったR5・2023年春、逆に過去最高の平均点だったR4・2022年春の結果を比較したものである。

()内は昨日も書いた「5教科の平均の和」の数字である。

まずは過去最高の平均点だったオレンジ色のR4(2022年春)と青色のR7今春・2025年春)を比較してほしい。
450点以上の受検生の割合が同じぐらいだ。
今春の入試、最上位層にとって過去最高に簡単だった年とほとんど同じ景色が広がっていたようだ。
つまり最上位層にとっては平年と比べて「かなり簡単」だったのだ。
数字で示すとR7(今春・2025年春)入試の450点以上は8%で、過去最高の平均点だったR4(2022年春)入試の450点以上が9.1%。
R4
2022年春)に近い「高得点祭り」が450点以上の層では繰り広げられていたと考えていてもよさそうなのである。
過去最高平均点の年と今年のはっきりした違いは300点~450点の辺りの層の厚さ。
今春(2025年春)入試での300点~450点の層はR4
2022年春)ほどは多くない。
真ん中あたりよりは上だけど最上位までいかない、中の上・上の下の生徒たちにとっては、そこまで「お祭り騒ぎ」というわけでもない普通の入試だったといえるだろう。
一方で200点未満の成績下位層に注目すると、今春(R7・2025年春)
過去最低の平均点だった灰色のR5(2023年春)に近い分布になっており、R4(2022年春)とは明確に別世界である。
簡単だったと思っただろう最上位層とそうでもないと思っただろう下位層の印象の差がはっきり出た入試だったようだ。

平均点だけではわからないことを得点分布は教えてくれる。

ちなみに今春8%だったという450点以上の割合を使って計算すると、西濃地区の全日制公立高校受検者の約186人、岐阜地区の約410人にあたる(実際に地区ごとでどうだったのかはもちろん不明である。こういうときに公立高校の地区ごとの受験者数の合計を書いているkengakujuku.netの出願状況表が役に立つ。私自身、ちょっと見たいときは自分のPCの中のデータを漁るよりもkengakujuku.netのサイトで見たほうが早いのである)

成績最上位層が岐阜高校(や岐阜北高や大垣北高)だけにかたまっているわけではないが(昔も今もそんなきれいに成績で輪切りされてはいない)、今春の岐阜高校の募集定員は360人であった。