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岐阜県入試の平均点は何を平均しているのか(1)

昨日2026年3月4日はちょっと大変だった(苦笑)。
解答速報が5教科合計の平均点(過年度分)に対する態度を変えたからだ。
それに対応してこちらも慌てて表を作り直したわけだが、まだ最終的な態度は決めかねている。
過年度の表示をどうしようかと。
比較検証の問題だ。
問題の根本は県教委の発表の変遷のほうにあると思うのだが。

何を言っているのかわからない人のために最初から書く。
簡単に言うと、昨年(2025年春)の5教科平均を310点(各教科平均点の和)で扱うか、314点(県教委が公式に出している5教科の総点の平均)で扱うかという話。

岐阜県の公立高校入試の5教科平均点は、公式発表のレベルでもかつては2種類存在していた。
例えばこれは平成30年度入試の成績概要から


全日制高校第一次選抜受検者だけの5教科合計平均を成績の概要の冒頭に書いておいて、次のページの表では定時制や連携型選抜も入れた平均を書くという状態。
平成30年度も全日制だけだと309点、下の表(全日制・定時制の第一次選抜+連携型選抜)の数値だと305点である。

表の方では定時制や連携型選抜でも5教科実施のところは入れて5教科合計の平均を出していたということだろうか。
厳密に言うと冒頭部分は「5教科の総点の平均」といい、下の表では「合計」としている。
先日書いたように「分からないことを分かっていないと分からないことは分かりません」なのだが、これだけでは分からないままなのだ。

解答速報は冒頭文の「5教科の総点の平均」(全日制限定)でなく下の表の合計欄を比較対象として表示してきたし、弊塾もそうしてきた。
平成30年度までは他でも多くが同様の対応を取ってきたものと思われる。

平成31年度入試から県教委発表の成績概要の表記が変わる。

下の表から合計欄が消えた。
5教科合計の平均として示されるものが冒頭部分の「5教科の総点の平均」だけになる。
しかしそれは全日制限定の数字であるという。
だから平成30年度までの平均の表の「合計」とは並べて比較できない。

以後、テレビ解答速報は各教科の平均点の和を出し「5教科合計の平均」として比較対象の過年度平均としてきた。
テレビ解答速報と実際の平均点との比較を追ってきたkengakujuku.netも、それに準じた対応をしてきた。
そのほうが過年度との比較で不都合が生じなかった。
そもそも解答速報の予想自体が、各教科の平均点をたしたものを5教科総合の平均点としているから、辻褄が合うのだ。

少し変わるのは令和6年度

令和6年度から「約20分の1を抽出」という表記が消えている
全数調査に移行したと考えるのが適当だろう(そうでなければ不誠実な文書)。
令和6年度入試といえばWEB出願システム初年度。
自動採点などの導入で全数調査が可能になったのかもしれない。
システムに全員の点数が入っているのだから(得点開示もシステムがやる)その処理も容易だとも考えられる。

さらに昨年令和7年度から県教委はこう変えた。

令和7年度結果の冒頭部分から「全日制の課程の」という表記が消えた
タイトルも「受検者数及び総点(全日制の課程)の度数」から「受検者数及び総点の度数」に変わっている。
つまり定時制でも5教科の学力検査実施のところは総点の平均に入っていると考えるのが素直な読み方である。
さらに表下の但し書きから定時制と「連携型選抜」が含まれていることを示す表記が消えた。
定時制は「第一次選抜」をやっているのだから入っていると考えるのが素直な読み方だ。
しかし連携型選抜が変わらず入っているのか、それはここからはわからない。
連携型選抜は外形的には(受検者にとっては)第一次選抜を同じようなものだが入試制度としては別という立て付けだ。
(ちなみに定時制と同様に、5教科実施しない高校もある)
連携型選抜も含めているなら令和6年度までのようにそう書かなければ不誠実ではないのか。

そして、表下の但し書きにも注目した。
教科別平均点は、小数点以下を四捨五入しているため、和が5教科の平均点と一致しない場合がある。
小数点以下を四捨五入しても単純合計(310点)と4点違う314点なのは腑に落ちない。

四捨五入して整数表示にしても各教科最大0.4999999……しか違わないので5教科で最大2.49999999999………しか違わないことにならないか。
合計でも四捨五入があったら最大でも2点しか違わない計算にならないか。
さきほど書いたように、定時制と連携型選抜では5教科受験していないケースがある。
だから「和が5教科の平均点と一致しない場合がある」のではないのか。

これらのことは、テレビ解答速報が変わらない対応だったら敢えて細かく書くことでもないのかなと思ったが―。

こういう県教委側の発表の変化を意識したのか、昨日(2026年3月4日)のテレビ解答速報は今までの態度を変えた。
予想平均と比較する過年度の5教科総合平均を、県教委が「成績概要」の冒頭で出している平均点(5教科の総点の平均)にした。

弊サイトはずっと予想平均と実際の平均を追って比較してきたから解答速報の態度変更には合わせなくてはならない。
急遽、表を一部手直しすることになった。
昨日のテレビ番組では令和7年度、令和6年度の5教科合計平均が比較対象として映し出された。
いずれも県教委が「成績概要」冒頭で示している「5教科の総点の平均」
が使われていた。
それにあわせて突貫工事で直した次第。

しかし、今日になってここでまた立ち止まる。
令和6年度の「成績概要」冒頭の5教科総点平均は「全日制の課程の」という限定付きである。

それ以前との比較ができない(全日制課程限定だと3~7点高くなる)
そもそも昨年(2025年春)のテレビ解答速報までは各教科平均点の和を5教科平均の比較対象としており、令和6年度まで直しては大げさに言えば「歴史の改ざん」にもなる。
一度変えて出してしまったが、どうしようかまだ悩んでいる。

たぶんそんなことで悩んでいるのは私だけだろう。
困ったなと昨日からずっと悩んでいるのである。
この話、たぶん需要はまったくないが明日以降も暫く続くかもしれない。

   

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