岐阜新聞テストのトラブル

 1月10日(日)の第4回岐阜新聞テストで、小さくない混乱というか結構大きなトラブルが発生したことは昨日も書いたとおりですが、今朝の岐阜新聞朝刊に「重ねてのお詫び」と今後の対応についての説明を記した小さな囲み記事が掲載されておりました。やはり、相当重大な事態と受け止めて対応を決めたようです。
 昨日書いたように、この塾には今回の岐阜新聞テストを受けた生徒がおらず(その時間帯、当方の中3生たちは塾で「学年末テスト対策」をやっておりました)、昨日の段階ではまだ事態の詳細をじゅうぶん把握しておりませんでしたのでこちらには書きませんでしたが、掲載された記事や他社の報道、その他あちこちに散らかっていた種々の情報を総合して書くと、理科の問題冊子の一部に社会の問題が刷り込まれていた、逆に社会の問題冊子の一部に理科の問題が刷り込まれていたという印刷ミス(乱丁)が相当多数の問題冊子にあって、理科と社会の試験がまともに実施できなかった会場があり、多数の受験生が巻き込まれたということのようです。要は理科の問題を解いていてページをめくっていったら突然社会の問題が現れた(あるいはその逆の状態)というわけですから、生徒たちはさぞびっくりしたことでしょう。で、代わりとなる正しい問題冊子も用意できず(1人、2人の交換で済まない膨大な数の冊子が駄目だったようです)、会場によっては1時間ほど待ちぼうけを食らった挙げ句、理科と社会の問題を満足に解けないまま解散を告げられたところもあったとか。まあ、理科をやった段階で社会の問題(の一部)も見てしまったわけですから、仮に代わりの正しい冊子を渡せたとしても、もう公正な試験は成立しなくなっていますよね。現場対応だけではどうしようもなかったことでしょう。会場によっては理科と社会をくっつけて2時間通しの試験にすることで強引に解決しようと試みたところもあったようですが、今度は社会の問題冊子がきちんと揃わず結局不可能に。ここからも、運営側の相当な混乱ぶりが想像できます。
 そんな事態を受けて、昨日の岐阜新聞朝刊の「お詫び記事」、そして今日の「お詫び&今後の対応の説明記事」となったわけですが、主催者は受験生全員に受験料を返金し、問題なく実施できた英数国3教科の結果を中心に成績表を出すということにしたようです。まあ、物理的及び時間的にこれ以上の対応はできないでしょうね。こうなってしまった後としては精一杯の対応でしょう。とはいえ、理社のない300点満点の成績表にどれほどの意味があるのか、そしてこれが今年度の最終回だったということを考えると、取り返しのつかない大きな失態をやってしまったなあという印象です。
 と、ここまでつらつらと書いてから主催者(岐阜新聞情報センター)のサイトを改めて訪れてみたところ、以下のようなお詫び文が掲載されておりました。画像をクリックすると、これが掲載されているサイトへ飛ぶようリンクさせておきましたので、詳細は主催者のサイトでご確認ください(受験生の方など関係する当事者の方で、これを見て不明な点がある方は、主催者へ直接問い合わせるのがよいと思います)。

 

↓これは主催者「岐阜新聞情報センター」が掲載したお詫び文です。

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 このお詫び文の最後のほう、自宅受験した答案については採点と成績集計をしますというのは、再試験ができない中でのせめてもの誠意でしょうが、実際どれほどの生徒が意味のある措置としてこれに応じるかどうか・・・。問題だけでなく答えも分かってしまっているわけですからね・・・。仮に真面目にやったとして、郵送して結果を受け取った頃には、もう公立の出願先が決まっている時期かもしれません(出願変更に間に合うくらいでしょうか)。このテストの結果を進路指導の重要資料として考えていた塾関係者も、たぶん頭を抱えていることでしょう(何度も書きますが弊塾からは誰も受けていませんし、仮に受けた子がいたとしても、あのテストの成績をもとにして弊塾で進路相談することは無いので全く関係ありませんが)。
 
 
 岐阜新聞テストは、かつて全国に都道府県の数と同じくらいあった中3生対象の模試の中でも数少ない(だろう)生き残りの「優等生」です。同様に学校から校外へと追放されてしまった愛知県や三重県の業者テストは、今や見る影もありません。
(昨日も少し書いたように、今を遡ること二十数年前、当時の文部省の通達で、公立中学校で堂々行われていた業者模試が全国的に校外へ追放されてしまったのです。今の保護者の方の世代は、まだ校内で受験されて時代でしょうか。私もその世代です。あの頃はこのテストの結果が入試本番以上に大きな存在感を持っているという不思議な時代でした)
 校外に出た後も今日までこのテストが割と頑強に生き残ってきたのは、地元新聞社がバックについていることへの信頼感、及び新聞社側も紙面を構成する「コンテンツ」の一つとして大事に守ってきたことが大きな要因だったのではないかなと思います(たぶん、この模試だけではそんなに収益はないでしょう)。しかし、今回のことでその信頼に大きな傷が付いてしまったように思います(現在中2以下の中学生やその保護者のみなさんに今回のこの一件がどの程度の重大さをもって伝わるかにもよりますが)
 と書きつつ、実は私は逆に「校外追放以降の二十数年間、この態勢でよく運営できていたなあ」という感想のほうを強く持っていたりします。試験会場は全てその日限りの借り物、現場の運営スタッフもほとんどが年4回の模試のためだけに集まられる、つまりはその場限りの学生バイト、それで1万を超える中学生が受験する模試を運営してきたんですから、逆に大したものだなと。今までこれほどの大きな問題が生じなかったほうが、ある意味「奇跡」だったと言ってもいいのかもしれません。そんなふうに考えると、「大学入試センター試験」なんていう化け物みたいな大規模な入試を大過なく運営するってどれほどのことなんだろうと改めて思います。それもあと数年のことですが(といっても別の形の大学入試が待っているのですが、それについてはまた改めて)。
 なんだか話が逸れてきそうになってきたので、今日はこのあたりにしましょう。最後に、このサイトには塾生及びその保護者の皆さまや同業者の方(苦笑)ばかりでなく、弊塾とは縁もゆかりもない一般の受験生やその保護者の方も検索等で来訪されているようなので、一言。

 

 

 岐阜新聞テストがこんなことになって、これからどうやって志望校を決めるんだよ!とお怒りの(どこの塾にも通っていない、この模試だけが頼りだったという中3生やその保護者の)皆さん、今月下旬には県教委が「進路希望調査」の結果を(例年通りならたぶん)発表しますから、志望校の出願倍率がどうなりそうか、見通しを立てる参考資料になさるとよいと思います。3月、皆さんが無事に志望校への合格切符を手にされますことを祈っております。