岐山高校の新校舎

岐山高校で建設中だった新校舎が先月下旬に完成となったらしい。


県立岐山高校の新校舎 完成祝う式典 岐阜|NHK 岐阜県のニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20250825/3080016822.html


弊塾から岐山高校に行った子は28年間いなかったし(28年と言っても最初の方は学区の壁があったが)、これからもそうそう出ないだろう(単純に遠い/近いレベルといっていいだろう大垣東高校が地元にあって理数科もある)というのもあって(要するに縁遠い)すっかり忘れてしまっていた岐山高校の新校舎。
ここで取り上げるのも遅くなってしまった。
ニュース等で見る限りすばらしい校舎ができたようで、ここで学ぶ皆さんが羨ましい。

岐阜市内の普通科高校は現状及び今後の推移を考えてもそうそう整理統合という話にはならないだろうから、更新期を迎えた校舎の建て替えはこれからも躊躇なくどんどん進められるだろうし進めてほしい。
私立高校の無償化もいいが公立高校の環境整備も大事だ。

これが大垣の話になると今でも既に市内に普通科4校は多い感じで各高校の定員が(特に南・西で)だいぶん削減されている(東西南北4校合計で1000人の定員ということは机上の計算では今でも3校で十分ということになる)
さらには大垣市外の西濃地区にも定員が少ない(のに定員割れをしていて実際に通う生徒はもっと少ない)普通科高校がいくつかある。
このままの配置でさらに進む少子化を乗り切れそうにはなく、将来的にどこを統合再編するかという話がはっきり見えてこないと高校の建て替えは進められない。

それはさておき。
旧岐阜市内5校(柳津町にある羽島北も今は「岐阜市内」なのだがここではちょっと脇に置かせてもらう)の中でも現行制度下の岐山高校は進路希望調査の段階では「定員割れ」状態になっている年が多く、特に理数科が敬遠されることが多かった。
そして正式な出願という段階になって大移動が起こってマイナスになっていたものがうまってプラスに転じるというのが続いてきた(理数科はそれでも割れていて普通科からの第二志望合格で埋まることが多い。なお理数科に関してのこの傾向は岐山に限らず大垣東にもよく見られてきた)

1月の進路希望調査(最終回)の結果の推移は以下の通り。
ここで最終回の進路希望調査結果に敢えて注目したのは、上記の通り出願時には進路相談を経ての志望変更で岐山に流れてくる生徒も少なからずいるので、それ以前からの人気度を知る手がかりとするためである。
繰り返すが、これは1月の進路希望調査の結果、つまり「希望」であって出願者数ではないし出願変更後の最終確定出願者数でもないので誤解のなきよう。

   

岐山高校の進路希望状況の最終回(1月)の結果。希望なので出願ではない。赤字赤地の枠は「定員割れ」状態を表す。


過去10年間、理数科は一貫して「定員割れ」状態である。
普通科は途中で定員が40人減っており、その初年度となった2020年春だけ特異な傾向を示しているが、あとは10年前を最後に似たような感じが続いている。
特に今の大学1年・2年が高校受験した年は普通科もひじょうに人気がなかった。
学校全体で見ても10年前はわずかにオーバーしていたものがその後ずっと1月時点(出願先を正式に決める前)は「定員割れ」状態。
希望調査はあくまで「希望」なので、特定高校への希望の偏りからうまれるこういう現象は西濃など他地区では別段不思議なことではないが、揃って高倍率になることが多い旧岐阜市内普通科高校の中で1つだけ違った傾向を示して目立っていた。

ところがこの春(2025年春)の1月は普通科で大きく定員超過の状態となり、それで学校全体でもプラスに転じた。
最終的(出願変更後)にも普通科だけなら+65、理数科を含めた学校全体でも+37となり、結構な人気となったのは記憶に新しい

「岐阜北や加納が無理そうだから岐山」というのではなく、また「長良の倍率が高そうだから岐山にしてみようかな」というのでもなく、はじめから「岐山高校に行きたい!」と思う生徒がさらに増えれば、上に述べたような高校も巻き込んで出願者の動向も変化してくる可能性もあるが果たしてどうか。
新校舎完成でこの春の流れがさらに加速するのか、それとも一時の現象だったのか。
来春以降の動きに大いに注目していきたい。

   

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