小4まで通知表を廃止するところが現れた(静岡県掛川市の例)

通知表廃止の先に見える世界は・・・


通知表を小4まで廃止へ 三者面談で児童と向き合う 静岡・掛川市:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/AST9Q4444T9QUTPB00PM.html
静岡県掛川市教育委員会は2026年度から市立の21小学校のすべてで1~3年生の通知表を廃止すると決めた。教員の事務作業などの負担を軽減し、「子どもや保護者にもっと向き合う時間を確保」(佐藤嘉晃教育長)して直接的なコミュニケーションを深める。

27年度には通知表の廃止を4年生にまで広げる。
通知表の廃止にあわせて、教職員と保護者との面談を、児童も同席する三者面談に切り替える。授業で使う学習支援アプリのデータで「カルテ」をつくり、到達度などを具体的に伝える。
県外では、岐阜県美濃市教委が25年度から市内全域の小学校で1年生の通知表を廃止。来年度からは2年生までの通知表を廃止する予定だ。


記事にもあるように岐阜県では美濃市が小学校低学年の通知表を廃止する予定だということは以前ここでも紹介したが、掛川市は小4までとはずいぶん思い切ったことをしたと思ったら、どうも「評価をしない。振り返らない」ということではなさそうだ。
通知表の廃止にあわせて保護者面談もやめて、アプリデータのカルテをもとに到達度を伝える三者面談に切り替えるという。
客観的データによる具体的な「評価」を機械がまさに機械的に作り、それに基づいて本人も同席の「
三者」で話し合うということだから、評価しない、振り返らないということではなく、人間(先生)による抽象的にも見える総合評価をなくし、より科学的に子どもの学習状況を分析してその改善を話し合っていくというほうが正解なのかもしれない。
掛川市は通知表を出さないことにしたわけだが、通知表を出すにしても懇談はその後のほうが理にかなっていると思ってきたので(だから塾の夏期の懇談も通知表が出たあと、夏休みに入ってからの7月下旬にやってきた)これは良い動きではないかと思う。
終業式で通知表をわたしてハイおしまいというのは家庭の教育力に大きく依存しており(通知表を見て具体的に話し合える家庭しか活用できない)、しかも評価をつけた先生の意見がない中での振り返りは教育力のある家庭でも難しい(どうしてこの評価で動やったら成績が上がるのか、教科を担任する先生に聞きに行くのが望ましいのだが、その機会は長期休暇のあとになってしまい、そんなころには通知表がどうだったかなんて忘れている子も多い)
といって今までのように人力で評価して通知表を作り、そのあとで懇談するというのは学校のスケジュール的に難しいだろう。
こうやってICTを活用して先生の負担を軽くし、かつ理にかなった方法で学期の学習を振り返るというのは先生も生徒も保護者も満足できる解決策だと思う。
通知表の廃止というよりも、そのほうが重要で大きな変更ではないか。
今後これが波及していくのかどうか、注目してみていきたい動きである。

    

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