岐阜県の話ではないが。
千葉県で定員内不合格をめぐって提訴された事案が記事になっていた。
定員割れの県立高なのに不合格、「教育受ける権利を侵害」…難病の少女が入学許可求め提訴 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241211-OYT1T50046/
“提訴は10月17日付。訴状などによると、少女は神経難病の一種「レット症候群」で、一人で文字を書いたり、話したりするのが難しい。少女は8月、県立高校の秋期入学者選抜試験を受験。障害への配慮を受けたうえで、作文と面接の試験に「集中力を切らさず真剣に」取り組んだ。4人の募集人員に対して実際に受験したのは少女だけだったが、「学ぶ意欲が見られなかった」と評価され、結果は不合格だった。”
今回提訴されたのは秋期入試での定員内不合格ということで、春に新学年全体の定員をめぐって行われる通常の入試とは違うもののようだ。
秋期入試における定員の扱いがどうなっているのか、普通の入試のように基本的には定員まで合格させるしくみなのか、そうでないのか、この記事から読み取ることはできなかった。
他県のことなのであまり手間はかけられないが、時間があればまた調べておこう。
先日紹介した文部科学省の資料によると、令和5年度(2023年春)入試で千葉県内の公立高校ではのべ56名の定員内不合格が発生しており、岐阜県(23名)と比較すると多いが、人口・受験者数があちらは約3倍なので、だいたい同じぐらいの感じで定員内不合格者を出しているといえるかもしれない。
千葉県はこの文科省の資料で
校長会議等及び通知文書で、各学校の実態に応じて可能な限り入学許可候補者とし、定員の確保に努めるよう指導している。また、定員内不合格があった学校の校長を対象に県教育委員会によるヒアリングを実施している。
というコメントを寄せており、同じ資料で「定員内不合格については学校長と県教委が協議する」を選択している岐阜県と似た対応と言えるかもしれない。
「協議」と事後の報告では違うといえば違うが。
今回のこの事例がどうなのか、提訴した側とされた側の事情を詳しく知らないので、この件について私が安易に意見を述べることはできないが、このように公立高校の定員内不合格はときに訴訟案件にもなる。
訴訟になったかどうか忘れたが、岐阜県でも定員内不合格になった側の抗議の声が新聞記事になっているのをだいぶん前に見た覚えがある。
定員内不合格には個別にさまざまな背景があるだろうが、先日も書いたように全体を見渡すと稀なケースだということはいえる。