子どものSNS利用規制は世界の潮流に

目立つところではオーストラリアから広がった子どものSNS規制。
ヨーロッパやアメリカの一部の州にも広がっていたが、アジアにも波及してきたようだ。


16歳未満のSNS利用制限、マレーシアも導入「2026年までに」:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASTCS1TY8TCSUHBI00BM.html
マレーシア政府は23日、16歳未満の子どもを対象としたSNS利用制限を、2026年をめどに導入する方針を示した。

現地報道によると、マレーシアのファミ・ファジル通信相は23日、16歳以下のSNSアカウント保有禁止を「政府が決定した」と報道陣に明らかにした。
SNSを利用する際に金融機関などで用いられる、公的文書などを用いた電子認証を必要とするシステムを導入するようSNS事業者に求める見通しだ。
未成年者へのSNS規制を巡っては、オーストラリアがユーチューブやティックトックなど主要なコンテンツについて、16歳未満の利用を制限する法律を12月から施行する。ロイター通信によると、フランスやスペインなど欧州各国でも同様の動きがみられる。


今のところ、日本の国レベルでは子ども家庭庁が検討中という段階のようだ。
犯罪に巻き込まれたり、誹謗中傷やプライバシーの侵害を受けたり、さらにはいじめにあったりといった問題のほか、最近ではAIで作ったフェイク投稿も氾濫するようになったSNS。
大人でもSNSとの向き合い方がますます難しくなっている局面。
子どもに対して何らかの規制をかけるのは当然であろう。
といってSNSの中でも特にLNEが既に有力な各種連絡手段として社会に浸透している日本では、SNSの一律規制は難しいのかもしれない。
日本では今後どういうふうに議論されるのか。
部分的な規制(例えば夜間禁止とか保護者の関与を義務づけるとか)をしている国もあるようだ。
日本の現在は国としてはまだ何も規制無し、フィルタリングも含めて家庭に任せるという感じだが、各家庭もまわりの子がのびのび(野放図ともいう)使っている中で我が子だけに一定の規制をかけることができるのは一部の家庭だけだろう。

それでいいのかどうか。

こうしたSNSの問題とは別に、そのうち対話型AIへのアクセスの規制も考えないといけなくなるかもしれない。
既にアメリカでは訴訟沙汰になっている。
今はまだ世間一般で使われ出したという意味では黎明期だが、いずれ日本でも深刻な社会問題として顕在化するだろう。
その前に運営企業側が何らかの修正をかければいいのだが・・・。
他方で規制でなくAIの使い方を学んでもらうという方向もあり、それを実践している現場の記事もあった。


AIをあえて授業に取り入れる 「リスクどう克服」模索する教師たち:朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASTCM234WTCMPTIL00BM.html
 「生徒たちはいま、生成AIに容易にアクセスし、使える状況にある。生成AIを『学びのパートナー』として使いこなす力を育むため、教員は、リスクをどう克服し、効果的に活用するかを考えるべきです」


SNSは現実がどんどん先行して規制や弊害の克服は後手に回りすぎてきたように思う。
AIではそうならないよう、規制するなり、上の記事にあるように使い方をもっと教育したり、早めに手を打ったほうがいいのではないか。
事業者の努力に任せて放っておくのではなく。

前も書いたが、自動車免許制度が整わないうちにスーパーカーが登場し高速道路まで整備されてしまって事故が頻発しているという状態が今のネット社会。
この混乱をどう整理していくのか、人類社会全体に突きつけられた問題だ・・・なんていう大きな話は新聞の社説あたりに任せるとして、現実の世の中は今日もどんどん進んでいる。
そんな中で子どもを守る最後の砦は、やはり家庭ということになるだろう。

   

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