失敗学

「失敗学」で知られる畑村博士が

原発事故の調査にあたることになったそうだ。

最近、マスメディアからは政府の失点ばかりが流れてくる中、

この人選はなかなかのヒットだと思う。

 

日本人は失敗から学ぶことが苦手だ。

「誰のせいか」ということはさんざんつつき合うくせに

何が間違っていてどうすればいいのかを考え、

教訓を得て生かすと言うことをなかなかしない。

それは子どもの勉強もそう。

100点であることがすばらしいという錯覚を

小学校で植え付けるから

正答に対する強迫観念に縛られ

真面目な子ほど間違えることを嫌い、

間違いに向き合いたくないという意思を示す。

間違いから学ぶ姿勢を身につけることはとても大切なことだ。

賢学塾で教えていることは結局これに尽きるといってもいい。

噛み砕かれた流動食のような解説授業を聴いて

テストに出そうといわれたところだけを暗記していても

高校から先で通用するような学力はつかない。

いや、高校受験でもさっそく困るだろう。

賢学塾生が受験で困らない、最後の最後でとても強いのは

問答しながら間違いを直し、自分のつまずきを見つけていくという

日々のこつこつ積み上げた学習があるから。

そういうことをもっと学校でも教えてほしい。

失敗でもめたり責任をなすりつけ合ったり

足を引っ張り合ったりするのでなく

失敗から教訓を得てそれをまとめ、

次に生かせる形にして後世に伝える

そんな社会になっていってほしい。

それが子どもにつけを残さないことじゃないかと思う。