全国展開する「塾」で水俣病に関する著しい誤解が教えられていたというニュースを見た。
「水俣病」教材問題のトライ幹部、患者に直接謝罪 全社員研修を報告:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/AST6S4CVHT6STLVB00YM.html
社内の教材担当者が作成。別の社員が内容を点検したが、誤りに気づかなかった。アプリでは2015年11月ごろから21年3月ごろまで、YouTubeでは16年1月から25年5月まで公開。アプリは推計7千回程度、YouTubeは7万回余り再生されたという。
起こってしまった間違いはもちろん謝罪・訂正するしかないが、全国に教室があり従業員も(バイトも含めて)多数いるだろうところが、この誤りを10年放置してきたというところに驚きを禁じ得ない。
あれだけ教室があれば(フランチャイズではあろうが)どこかの教室の責任者か講師の誰かから(たとえそれがバイトであっても)「これはおかしい」という情報が上がってもおかしくないように思ったのだ。
規模的におかしいと分かる人が全国に全くいなかったとは考えにくく、(いろいろな意味で)おかしいと現場から言えるような内部構造ではなかったということなのかと想像する。
もちろん当事者の方たちからすれば誤り自体が全く許すことのできない内容だが、塾とか組織とかいう観点で見ると、それが放置されてきたこともだいぶんおかしいのだ。
一事が万事という言葉があるが、当該業者が水俣病関連の理解を深めることはもちろんのこととして、他は大丈夫なのか、点検したほうがいいだろうし、もうしていなければおかしい。
間違いは起こるものという前提で、そういう間違いをちゃんと内部で指摘できてすぐに訂正できる態勢を作らないと、再びこういうことが起こり長く放置されかねない。
今回は社会的に問題となる事案だったから明るみに出たのだろう。
これがごくごく一般の学習内容の誤りだったら見過ごされていた可能性も高い。
当該業者はこれを逆によい教訓として内部を改革できるかどうか。
今後の動きに注目することとする。