先日の特色化選抜で合格した生徒が、発表当日の夜に書いてくれた文章のほんの一部を、今日はご紹介したいと思います。
“・・・すぐに三年生が来て夏休み。毎日早起きして、大変でした。周りには未だに遊んでいる子もいて、それを見ると辛いときもありました。でも、塾で早く勉強したいと毎日思いました。・・・”
受験生といえども、夏休みぐらいだと毎日がこういう「落差」との戦いになりますね。部活を引退した後、さっと勉強に打ち込める子は当然ながら伸びます。塾に来ればみんなそうしていますが、学校の友達にはそうでない子もたくさんいる。しかし、そんな中でもこの子はきちんと切り替えができました。目標がある子は強い。この子には明確な志望校がありましたから、こうやって「落差」との戦いにも勝てたんだと思います。
“・・・学校でも、授業中に分からない問題を前の席の子が私のを見て写していたり、私がやり方を教えると消しゴムで消したりしているのを見ると、何だか気持ちが悪かったです。・・・”
間違いは必ず解き直す。考えて、調べて、質問して、また考える。この塾では当たり前ですからね。そういう学習に対する基本姿勢から身につけていくことは、とても重要なことです。反対に、こういう学習ときちんと向き合わない悪癖は、学年が上がるにつれてだんだん直しづらくなりますね。もちろんウチの塾に入れば中1で入ろうが中3で入ろうが直すべきは直してもらいますが、ウチの塾とは縁の無かった世間の多くのお子さんたちは、そういうことも言われないまま大きくなっていくんだろうなあと思うと、何だか残念な気持ちになります。
“・・・先生は以前、「頑張ったのは自分」とおっしゃいました。しかし、私を頑張る気持ちにさせてくれたのは先生です。・・・”
そう書いてくれましたが、誰が何を教えていようとも、頑張ったのはやはり本人です。今回、合格をつかみ取ったのも、賢学塾ではなくて一人ひとりの塾生たち。私は日頃から言っています。「成績が上がったのは自分のおかげ。『塾のおかげで成績が上がった』という言葉は好きではない」と。実際、勉強するのは彼ら彼女らですからね。結果が出るまで学習した自分を褒めましょう。
“・・・けんけんがくがくもいつも何でも書くことができて、先生の返事を見るのは楽しみで、私の母もよくかばんからこっそり出して読んで笑っていたりしました。・・・”
まあ何というか、恥ずかしいですね(^_^;) ああ、「けんけんがくがく」というのはウチの塾生に書いてもらっている一言日記のようなものです。ただ出してもらうだけでなく、ちゃんとコメントをつけ、誤字を直し、漢字で書いたほうがいい言葉には漢字を書き加えて、お返ししています。作文特訓といった改まったものでなく、もっと気楽に文を書く練習をしてもらおうと始めたものです。開校3年目ぐらいから(一時期の中断を挟んで)現在もやっています。みんなちゃんと書いてもらっていますが、もちろん個人差があって、筆が進んでどんどん書いてくれる子もそうでない子もいます。しかし、学年が上がってくると苦手な子でもだんだん慣れてきて、書く量が増えてきます。そういう積み上げがあるおかげで、賢学塾生は(成績の上下にかかわらず)「作文の練習で何を書けばいいか分からない」とか、「字数が書けなくてマスが埋まらない」とかいう悩みに陥ることはありません。むしろ面白い着眼で文章を書いてくれる子が多い傾向です。入試前の貴重な時間、作文練習などに充てる時間が少なくて済むだけでも、だいぶん得をした気分になると思います。
“・・・先生に勉強だけじゃなく社会で生きていくためのアドバイスもたくさんしてもらいました。塾の授業は笑いなどもあり、楽しかったです。・・・”
「世の中のなんたるか」が私ごときに分かっているのかという問題は横に置いて(苦笑)、自分なりに精一杯のことを彼ら彼女らには伝えてきたつもりです。むろん、私の言うことも数ある意見の一つに過ぎません。彼らがこれからも出会うだろういろいろな人たちから様々なことを取り入れて消化していく中で、私が伝えたことが調味料の一つにでもなっていれば、それで十分です。
“・・・私がこの塾に来てよかった、役に立ったことは、英語の長文に/(スラッシュ)を入れることで、これで長文問題が解きやすくなりました。・・・”
とても具体的なお褒めの言葉をいただきましたが、まあスラッシュリーディングは多分どこでもやっていますよね(^_^;) ただ、「入れたほうがいいよ」じゃなくて、簡単な文であっても手を抜かずしつこく入れるよう指導したのは事実ですが。高校生になっても使ってください。英語は前から読むものです。
昔は長文問題の解説のとき、英文を読みながら合間合間に教卓をドンドンと叩いてスラッシュを入れる場所を教えていました(古い塾生が読んでいたら、ああそんなこともあったなと思い出してくれるでしょう)が、今ではプロジェクターのおかげでずいぶんと楽に分かりやすく授業ができます。隔世の感がありますね。
“・・・部活に対してもどうしてこの部活に入ったのか後悔したこともありました。でも、今は部活をやってよかったと思うし、塾も最後まで続けられて良かったと思います。・・・”
部活との両立、簡単なことではありませんね。大変なことだと思います。この子は特に大変でした。賢学塾では「部活など放っておいて塾に来い」なんて言ったことは一度もありません。入部したのも、部活の練習に行くのもお子さんたち自身の選択ですから、私には何も言えません。(ただ、希望を言えば、最初の選択にあたっては十分な情報をお子さんたちに提供してほしいなとは思います。)この子の場合は、上の子の姿を見て忙しいと分かって入った部活ですから、納得して3年間続けられたんだと思います。そういえば塾についても、自分で話を聞きつけて敢えてウチを選択した子です。実にたくましく学習してくれました。部活との両立、本当によく頑張ったと思います。
“・・・小学生の時に賢学塾に入って、音読のテストが一番イヤだったけど、今ではすらすら音読ができるようになりました。・・・”
この子は努力の子でした。すぐには結果が出ませんでしたが、小学生の頃から地道に努力して、できなかったことを少しずつできるようにしていきました。言うまでもなく、この子の根気が15の春に実を結ぶことになったのですが、小学生から塾に入ってもらえると、こういうふうに長い目でお子さんの成長をサポートすることができるという好例です。目の前の学習に困り始めたら塾へ、というのではなく、先を見据えた成長支援をさせていただくために早めに塾にお越しいただけますと、(ウチの塾に限らず、中身のある真剣できめ細かい学習指導に取り組む塾ならどこでも)より大きな成果へとつなげることができるのです。