入試改革の行方を憂う

(2011年1月23日)

諮問会を開いて検討してもらい、答申を受けますと言いながら、

実はもうどこかに成案に近いものがあるんでしょ?(苦笑)と

突っ込みを入れたくなる「公立高校入試改革」の話。

来春(2012年春)から変わるという新聞記事が出ただけで、

その後、動きはないのですが、

私が正月に根拠もなく想像したいくつかの案など、

やはり鼻で笑うような代物で
 (書いた本人も「こんなのじゃないだろうなあ」と思って書いてはいましたが)

そんな楽観的希望的ファンタスティックな観測とは真逆の、

とんでもない内容になる可能性もあるよ、と聞かされました。

曰く「千葉県の後追いをする可能性もある」というのです。

で、その千葉県の入試というのが・・・

驚愕の入試システムなのです (ちょっと大げさか)

 

 

・・・・・・(ここからは千葉県の話です。)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで、ここからは千葉県の高校入試改革を

 ちょっとご紹介しましょう。

 (くどいようですが、ここからは千葉県の話です)

 千葉県は、岐阜県の後を追うように「特色化選抜」を導入した県ですが

 この春の入試から導入時とは逆に、一足早く特色化選抜を「廃止」しました。

 代わりに前期選抜と後期選抜が導入されています。

  (詳細は千葉県教育委員会のサイトに載っていますのでそちらでご覧ください。)

 さて、私がなぜ「廃止」とカギカッコ付きにしたかというと、

 それがなんと、

   前期選抜(2月)=定員の60%(普通科)~80%(職業科)

   後期選抜(3月)=定員の20%(職業科)~40%(普通科) という、

 廃止と言うよりは「特色化選抜の主流化」

 あるいは「特色化選抜と一般選抜の立場逆転」と言うべきもので

 2月の入試で失敗した受験生にとってはさらに過酷になるだろう入試制度だからです。

 入試内容を見ても、前期選抜は特色化選抜と一般選抜をミックスしたようなものに

 なっています。

 1日目=5教科の学力検査(50分×5)

 2日目=面接,集団討論,自己表現,作文,小論文,適性検査,学校独自問題などから

      一つ以上の検査を実施する。 (実際には面接、作文、自己表現のどれかが多いようです)

 ちなみに後期選抜は、

 5教科の学力検査(40分×5)(+面接がある高校も)ということですから

 形としては私たちのイメージする「一般選抜」に近いものですよね。

 しかし、後期入試と名前を改められた3月の入試は、

 その定員から言って「敗者復活戦」(嫌な言葉ですね)になってしまうようです。

 千葉県の皆さんはこのシステムをどう思っておられるんでしょう・・・。

・・・・・・(以上、千葉県の話でした。)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  

千葉県のシステムが岐阜県に導入されるかどうかは

分かりません。

全く違うものになるかもしれませんし、

個人的にはそうなることを希望しています。

しかし、このような「改革」の先例を見ると

岐阜県の今回の制度変更も、

受験生の側に立ったものにはならないかもしれないと

危惧しています

正月の新聞記事を見て、

「特色化が無くなるんだ。入試が1回になるんだ」と思ったあなた、

残念でした、ということになるかもしれません。

教育長が「2本立ての枠にとらわれず制度の在り方を議論したい」と

コメントしたという部分に、私は注目したのですが・・・

 

いずれにしろ、あと数ヶ月で明らかになる

我が県の入試改革の内容が大変気になります。

入試である以上、そこに非情な面があることは

打ち消しようがありませんが

中学生の心を弄ぶような制度変更にならないことを

希望します。