「受験は団体戦」という言葉は好きではないのですが

 そういう側面があることは否定できません。たとえば学校でも、クラスによる雰囲気の違いが入試結果に影響したり・・・。塾も当然そう。一般選抜まであと2週間ほどになった今、彼らにとって必要なことは「落ち着いて明るく元気に学習を継続して入試当日に備えること」。一人でそれができるなら、それでいいのですが、仲間とともに、プラスのエネルギーを発しながら学習できれば、そのほうがさらに強いでしょう。暗いのは駄目。蓋を開けてみないと分からないことであれこれ悩んでも、ただ時間が経つだけで何も前進しないどころか、心の迷子になってしまいます。そんな暇があったら、みんなで明るく学習しましょう。笑いながら真剣に勉強できる子が合格するんです。と言いますか、充実した学習ができている子は、ふとしたことで笑えるし、元気です。そんな反応の一つ一つを確かめながら、私は今日も彼ら受検生たちと接していました。
 幸いにして、ウチの塾生たちには積み上げてきた学習があります。私が敢えてそれを言わなくても、自分がやってきたものがぎっしり詰まってあまりに重いかばんを、毎日持ってきている彼ら自身が、それをまさに「実感」していることでしょう(笑)。これだけやったんだよ、と胸を張って言えるものの重みを毎日確かめているんですから、強くなれないわけがありません。そしてその経験を共有する仲間たちとお互いに刺激し合えば、自信はさらに強固なものになります。今の時期はそのために塾に来ているようなものです。

 今日の高校入試対策は、昨日書いたように「問答学習」に内容を変更し、「間違い解き直し活動」を前進させました。間違いの解き直しをしていくと、この押し迫った時期でもなお、新鮮な発見ができます。それは解き直す彼らも、彼らと問答する私も。言うまでもなく、間違えた問題をただ直した程度ではそんな発見ができるはずもありません。その1問を糸口に、骨まで味わい尽くすような学習をしているから、そういう発見ができるんです。一般選抜を受けなければ積み残したままだったかもしれないことが、日々分かっていく。こんなに充実した日々はないですよね。すばらしい日々だと思いませんか。あと2週間ちょっと、どんどん新しい発見を重ねて感動しましょう。それが本物の学習というものです。