高校授業料無償化でどう変化するのか(先行事例から)
岐阜県と違って私立高校に力がある環境での先行事例では、下の記事にあるように変化が大きく出ている。
東京都はすでに2024年度から「高校授業料無償化」を先行して実施しているが、昨年度に引き続き都立志望率は下落中と。
都立高志望率、65.79%で過去最低 「下落傾向続く」との見方も:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASV173HJWV17OXIE035M.html
東京都中学校長会と都教育委員会は7日、都内の公立中学3年生(7万7555人)の進学志望調査結果を公表した。全日制高校の志望者のうち、都立高の志望率は65・79%と前年度を1・18ポイント下回り、2年連続で減少し過去最低となった。
都立高志望率は減少傾向にあり、2021年度以降は71%台が続いていたが、前回の調査で約5ポイント下落し66・97%と、約30年ぶりの60%台となっていた。
いろいろネットを漁って時系列を改めて確認すると、東京都は2023年12月に独自の高校授業料無償化政策を発表→2024年度からの実施ということだったようだ。
高校受験界隈のスケジュール感覚でいうとずいぶんと急な発表だったんだなと。
高校授業料「実質無償化」2024年度から 東京都、所得制限を撤廃 小池知事「子育て世帯を全力サポート」:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/294149
高校入試界隈ではこれはもう「ぎりぎり」でなく、ぎりぎりを越えていたタイミング。
今回の国の高校授業料無償化の最終決着(昨年秋)よりも時期があとだったようだ。
その結果、2023年度に調査した2024年春入試世代(無償化開始時の入学)には影響は出なかったと。
この調査自体が12月半ばのもののようだ(今回は2025年12月12日という調査時点が東京都の発表に書いてあった)。
既に高校受験についての基本方針は決まっている時期だし、そもそも都知事の発表の直後だったということになる。
岐阜県でも公立に行くか私立にするか、私立の受験校はどこか(単願も併願も)は12月初旬の懇談で最終決定する。
ところが、その1年後の2024年度調査では2025年春入試世代に一気に影響が出た(都立志望5ポイント下落は相当大きい)。
そして今回2025年度調査の2026年春入試世代(今の中3世代)でも引き続き都立志望は下落傾向と。
このように岐阜県でこれと全く同じように一気に変化が訪れるかといったら、そこは違うかもしれない。
長年「公立王国」で公立高校優位で来た。
それが一年で一気に動くことはないかもしれない。
また、岐阜県では岐阜市内等に私立高校が偏在しており、全日制私立16高校のうち6校が岐阜市内にある(岐南町にある岐阜女子高校も目の前の川の向こう側が岐阜市だから実質的に岐阜市内とすろと7校のようなもの)。
広い県域と公共交通機関の少なさを考えると、地理的にそもそも私立高校には通いづらい人たちもいる。
他方、東京都ではもともと私立高校に存在感がある。
21世紀に入ってからすっかり影の薄くなった都立の進学校を進学実績で「復権」させようという動きが話題になったほどだ。
そして言うまでもなく巨大都市であり公共交通機関も発達している。
だから存在感が岐阜県の私立高校とは全然違う。
無償化で「授業料」というネックが解消された結果、影響が早めに強く出たということかもしれない。
しかし中長期的に見たら岐阜県でも数字の大小はともかく変化は訪れるのだろう。
以前から繰り返し書いているようにおそらく最初の本格的変化は2027年春以降ではないか。
この春あまり変わらなかったとしても「岐阜県では変化は起こらない」と考えるのは早計だと思う。
もう少し長い目で見て分析していく必要があるだろう。

