昨日未明に行われたパリ五輪の体操男子団体決勝の話。
圧倒的な強さで日本ほか2位以下の国の団子状態を余所に金メダル確実かと思われた中国の一人の選手が最後に大きな失敗をしてしまい、中国は金メダルを逃した。
結果だけ見れば日本は「棚ぼた」的に思われるかもしれないが、それより前にエースの大きなミスがあってもチーム全体があきらめずに演技をまとめ、ずっと中国の後を追っていたからこそ日本チームに金メダルがもたらされたのだから、そこは大いに賞賛されるべきだ。
おめでとうございます。
一方でミスをした中国選手のことを思うと複雑な気持ちになる。
聞けば当該選手は急遽メンバーになったようだ。
最後の種目が落下という大失敗が起こりやすい鉄棒。
件の選手の重圧も半端なかっただろう。
そして一度失敗してしまって気が動転してしまったか。
そうなると失敗が連鎖して起こりやすくなり、まさかということになりやすい。
タレント揃いの中国で五輪代表になる選手だから実力はあるはずだ。
若い選手だそうだから前を向いて次に向かって歩んでほしい。
いつかこの五輪のことを笑顔で話せる日が彼に来ることを願う。
今回の五輪も最後そうなったが、アテネ五輪だったか(もう20年も前か)日本選手が最後の鉄棒できれいに演技を決めて団体で金メダルを取ったときがあった。
あのときの重圧も半端なかったにちがいない。
「前畑頑張れ」ばりにアナウンサーの「栄光の架け橋だ」という実況ばかりがしばらく取り上げられたものだが、あのとき大変な重圧をはねのけて技を決めた冨田選手がいかにすばらしかったか、改めて思うのだった。
体操は見ていて楽しいと言うよりもはらはらする。
日本の選手がと言うだけでなくどこの国の選手の演技を見ていても「失敗無く終わりますように」という目線で見てしまうからテレビの前にいるだけのこちらも緊張する。
勝負事は何が起こるか分からない。
勝負事、ではないが入試にも何が起こるか分からない。
奇跡の合格はあてにしてはいけないが、まさかの不合格はいくらでも起こる。
改めて気を引き締めて目の前の夏期講習に臨む。