小中学校の教材費や修学旅行費の無償化(東京都中野区の話)

都会の自治体ではここまで子育て支援が進んでいるというニュース。


東京・中野区、児童生徒の教材費と修学旅行費を無償化…来年度から保護者負担ゼロ : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20251028-OYT1T50059/
東京都中野区は来年度から、区立小中学校29校の全ての児童・生徒を対象に、教材費や修学旅行費などを無償化する。物価高騰などを背景に、保護者の経済的負担を減らす狙いがある。
区は昨年度から給食費を無償化しており、来年度からは現在学校が保護者から徴収している全ての費用について原則徴収しないという。
修学旅行費や教材費の無償化は、葛飾区や品川区などでも実施されている。


義務教育は無償と憲法でも定められているが、それは授業料のことであり、それ以外の経費については有償というのが日本の立場だった(2026年度からは義務教育ではない高校の授業料も無償化される予定なのでそれについて実質的な差は無くなるのだが)
小中学校の教科書の無償化もあとから(1970
年ぐらいからだったか)できた制度だ。
で、教科書が無償であっても各家庭はドリルやワークといった副教材の費用は負担しているわけで、教材にかかる費用すべてが無償化しているわけではない。
子どもの保護者の側からすれば教科書と副教材のドリル・ワークに実質的な差はない(ともに学校の授業で全員が使うものとされている)
教科書だけ無償でも…というところだろう。
中野区はその有償だった副教材の分もすべて無償化するというのである。
さらに修学旅行費も無償化し、昨年度から既に給食費も無償化しているので、記事にあるように毎月の家庭の学校への支払いが無くなるということのようだ。
そういった毎月の支払いと一緒に引き落としされてきた(額は大きくないが)児童会(生徒会)費とかPTA会費はどうなるのだろう(と細かいことを考えてしまった)
それはさておき、「徴収しない」というのは学校にとっても(未納の家庭への督促など)事務負担が軽くなる話だろう。
これでどれだけの負担が区の財政にのしかかってくるのか、この記事からは見えてこないが、国を挙げての子育て支援が叫ばれる昨今(出生数の話は昨日も書いた)、よい方向性なのではないかと私は思う。
自治体間でかなりの格差ができてしまうことに懸念があるが(どうせやるなら国が全国規模でやってほしい政策だろうか)

そういえば少し前まで大垣市は「子育て日本一のまち」を目指すようなことをいっていたように記憶しているが、今はもうその看板は降ろしているのだろうか。
子育て支援といってもその内容は多岐にわたり、小中高生にかかるさまざまな費用の軽減がすべてではない。

・・・とはいえ実際ここまでやっている自治体があるのを見てしまうと、今なお大垣市がその看板を掲げているとしたら恥ずかしくて看板をしまいたくなるだろう。
だから大垣も直ちにやりなさいとまで主張したいわけではないが(市の財政上の都合もあるだろうし限られた予算の中で何に公金を使うかは最後は政治つまり市民全体の判断。そもそも義務教育は国の責任で行っているものなのでこういうことは国で統一してやってほしいというのもある)、こういうニュースを見ると「大垣もそうしてほしい」と思う保護者さんもいるだろうと思う。
実際、国のレベルでもこんなニュースがある。


自維公、給食無償化の制度設計へ 財源確保が焦点 #47NEWS
https://www.47news.jp/13416244.html
自民、日本維新の会、公明の3党は、小学校の給食無償化に向け具体的な制度設計を本格化させる。
2026年度からの実施を見据え、11月中の合意を目指して議論を進める。


高校の無償化協議がいちおう「かたづいた」ので給食費の無償化に向けて政治が本格的に動きだしたということだろうか。
給食費無償化の方向性は以前から聞いてはいたが、「来年度(2026年度)からやろうとしているんだ」という驚きがある。
こちらは果たしてどうなるか。

   

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