卒業生が段ボールを抱えて来訪

玄関の外に段ボールを抱えていた人が立っていたので、一瞬、運送業の方かと思ってしまった。
彼がうちの塾を卒業して4年半以上。
すっかり大人になっていて一瞬分からなかった。

なつかしい子がやってきた。

高専5年生の彼は無事に就職も内定して卒論に取り組んでいる最中とのこと。
来年からは日本のインフラを頑張って支えてほしい。
就職内定
おめでとう。

抱えていた段ボールは差し入れだった。
ありがとう。
早速昨日来ていた塾生に彼のことを話して1つずつ配った。

彼らと高専入試対策をしていた当時が懐かしく思い出される。
もちろん彼らの公立高校入試対策は高専入試が終わるまで棚上げして、彼らは別メニューでやってもらっていたのだ。
そして無事に合格してくれたので以降の公立高校入試対策は不要になったが。
あのとき、彼ら高専受験組に公立高校入試対策が必要になっていたら(つまり彼らの高専入試が残念な結果だったら)

彼の学年は、コロナ禍に伴う一斉休校が入試の直前に始まった学年でもあった。
彼の学年の高専受験組以外の生徒たちは、公立高校入試の直前にいきなり一斉休校が始まって大変だった。
学校がコロナ対策で休校となり、しかも世間の事業所には営業を自粛するよう要請がされているのに塾がバリバリやるわけにもいかず、かといって入試を目前にして入試対策講習をすべてキャンセルすることも到底できず、(中2以下は休校としたが)受験生の中3に関してはとりあえずの対策としてソーシャルディスタンス(これもなつかしい言葉になってきた)を保って教室の隅のほうにバラバラに座ってもらって換気扇も回し、個別質問対話形式で入試対策を進めたのを思い出す。
あの制約の多い態勢で高専残念組がいたら…
そういう意味でも(もちろん第一志望にうかったことが何よりだが)高専に合格してくれて本当によかった。

どの学年の卒業生もそれぞれ思い出深いが、あの学年もまた、そういう混乱がなくても思い出深い学年であったが、あの混乱で思い出深さが増したとも言える。
彼らを無事に送り出した後、あの年の12月、私は脳幹出血で倒れた。
ついこの前のことのように思えるが、もうそれくらいの年月が流れている。
早いものだ。