公立高校の「キャンパス制」(静岡県の話)

発表が遅いことで定評(?)がある岐阜県教育委員会よりもさらに発表が遅いところがあるんだなあと思って記事の中身を見たら、小規模高校の今後については先を行く方針を明らかにしたようだ。


静岡・公立高全日制の募集定員、来年度は160人減の1万7250人:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASTC53W6STC5UTPB00MM.html
賀茂地区では28年度から「キャンパス制」を導入する。下田、松崎、稲取の各高校を同一高校のキャンパスとして一体的に運営し、授業や部活動を合同で行う。


要するに「賀茂地区』(静岡にそういう地区があるのを初めて知った。岐阜県には「加茂地区」があるが)の3つの高校を一つと見なしてその高校の下にキャンパスが3つあるような構成にするということのようだ。
ここからは私の想像だが、授業時数の多くない教科については教員が3校を巡回して授業するとかオンラインで合同授業するというようなこともあるのだろうか。
合同で部活動といっても、移動の時間を考えると平日に合同で行う部活動については何らかの配慮も必要かもしれない。
行事が一体でできれば体育祭などをある程度の規模で行うことが可能になり、小規模校のデメリットを補えるか。
生徒会活動などそのほかの活動についてもオンラインなども駆使しての合同活動ができるだろう。
そんなことを思いながら静岡県のサイトを見に行ったら当該事案についての資料があった。
具体的な内容も書いてあったが、まだ詳細は検討中の部分もあるようだ。


静岡県立高等学校の在り方|静岡県公式ホームページ
https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/school/kyoiku/1003777/1003792/1053360.html

<キャンパス制とは>
これまでの本校分校間の関係に比べ、より連携を深めた学校の在り方です。
各キャンパスの枠を超え、授業、行事や部活動等の一部を合同で行い、教育効果を高めます。
多様な学び

・身近なキャンパスで、自分の進路に合った学びを受けられる
・興味のある探究テーマを、他のキャンパスの生徒と共同で研究
・各キャンパスのコネクションを活かした県外、海外との学校交流
学校行事
・賀茂地区全ての生徒が集まって行事を開催
・各キャンパス生徒会が協力してイベントを企画
・修学旅行、研究発表会等で他のキャンパスの生徒と交流
部活動
・他のキャンパスの生徒と合同で 練習、大会参加
 ・自分のキャンパスにない部活に他キャンパスで参加
 ・専門教員、コーチの指導を各キャンパス合同で受ける


「小規模校を潰して統合」だけではない方法もあるという意味で一つの策である。
こういうやり方もあるのかと。
岐阜県でも地区によっては参考にするべき対策かもしれない。
既に地元高校の存続に向けて動いているという海津市などは光明を見いだせそうな一つの案ではある。
各キャンパスを分教室的に考えれば「学校規模」ということを考えず実態に即して定員も決められるか。
既存施設の更新が必要になってきたときも、各キャンパスに「フル規格」で施設を整えず、3つで1高校分と捉えて規模を縮小した更新ができるかもしれないと思った。

ところで、最初に「発表が遅いことで定評(?)がある岐阜県教育委員会よりもさらに発表が遅いところがある」と書いてしまったが、それは来春の定員に関してのことだけで、公立高校の今後の在り方という根幹部分については上に紹介したサイトにあるように静岡県のほうがずっと早く動き出して方針も公開しているようだ。
既に一昨年度(令和5年度・2023
年度)に基本方針を策定し、昨年度(令和6年度・2024年度)から今年度(令和7年度・2025年度)にかけて地区ごとのグランドデザインを策定している。
その中には賀茂地区の「キャンパス制」のことも書いてあり、今回突然出てきたわけではないようだ(私が知らなかっただけ)
そして「キャンパス制」も実施は令和10年度から(2028年春)とのこと。
つまり今の中1が高校に入るときから
の実施のようで、来春からいきなり実施するわけでもない。
やはり岐阜県のような のんびり対応・ゆっくり公開のところを他県で探すのは簡単ではないようだ(苦笑)。

 

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