入学金
大学の入学金について。
「滑り止め」として受けた併願合格大学に払う入学金は掛け捨て保険の保険料と同じで返ってこないものだったが、その流れが変わるかどうかという話。
大学入学金「二重払い」国が私立大の実態調査 結果公表し負担軽減促す – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF189AY0Y5A111C2000000/
複数の大学に合格した人が進学先以外にも入学金を納付する「二重払い」問題を巡り、文部科学省が全国の私立大に負担軽減の取り組み状況の実態調査を始めたことが18日、関係者への取材で分かった。6月に軽減策の検討を求める通知を出したが、民間団体の調査では2026年春入学者の入試で実施する東京都内の私立大は4校しかない。
6月の文科省通知は①入学金の一部を先に納め、残りは入学決定後に納付②入学金の納付期限を複数回設定する③入学辞退の時期が早い場合は返還する――といったことを想定し、各私立大に検討を要請した。
入学金、自分(の親)も払ったなあ、遠い昔のことだが。
併願した「滑り止め」の某私立大学1つに二十数万円出し(てくれ)たと思う(と書いてから気づく。ン十年前と金額があまり変わっていないようだなと)。
それが「掛け捨て保険の保険料」だった。
当時は場合によっては入らない大学に前期の授業料まで支払う必要もあったが、これについては
入学辞退時の入学金を巡っては、06年に最高裁が「大学に入学できる地位を取得するための対価」として、大学が返還義務を負わないと判断。(上の日経記事の最後の部分)
という判決を最高裁が出したときに「3/31までに入学辞退すれば授業料は返しなさい」という判断を示している。
しかしこのとき、「入学金は返さなくてもよい」というお墨付きを大学側は得たので、今もそういう(入学金は返さない)運用が続いている。
私の頃(旧世紀のことだ。大昔だ)と同じように。
大学側は当然返したくないだろう。
貴重な収入源の一つである。
大学に限らず、世間一般の契約と同じように、手付金やキャンセル料としての部分は一定程度残すのも理解できる。
お金も払わず無条件に合格者に対して入学の権利が3月下旬(国立大学の後期合格発表あたり)まで担保されるなら、それはそれでさまざまな弊害が出て大学の運営に大きな支障が出るだろう。
しかし二十数万円もの入学金の全額がそれに相当するのかどうかは争いのあるところ。
これは金銭感覚の問題なので、安いと思う人もいるかもしれないし、高すぎると思う人もいるだろう。
私個人の感覚からすれば(あくまで私見)手付金相当額としては3~5万円程度が妥当なところではないかと思う。
多くても10万円未満だろうと。
入学金全体のうち、手付金に相当する部分を今書いた程度の金額で入学保証金としてとり、残りは本当に入学する学生が本当に入学するときに支払うようにできないかなと思う。
そういう意味では上の記事にある文科省提案の①が妥当なように私個人は思った。
ただこの結果、収入が減る大学側にその分を国が補助金として補填してくれる・・・はずもないだろうから、大学は授業料を引き上げることになるのか。
国の修学支援制度の一層の充実を望む。

